インタビュー
» 2019年07月11日 09時00分 公開

テクノロジーで働き手の希望に応える:ドトールが挑戦する新たなアルバイト採用方法 人手不足を解消できるか (1/3)

店舗アルバイトの8割が大学生というカフェ・チェーン「ドトールコーヒーショップ」は、テクノロジーを活用した新たな採用方法で人不足を解消しようと取り組んでいる。同社人事部長の平本さんに話を聞いた。

[Work Switch]

この記事はパーソルプロセス&テクノロジーのオウンドメディア「Work Swtich」より転載、編集しています。


 少子化、生産人口の減少に伴う人員不足は、さまざまな業界に共通する課題です。また、時代とともに働き手の価値観も変化し、これまでとは違う働き方を求めるようになりました。店舗のアルバイトの8割が大学生というカフェ・チェーン「ドトールコーヒーショップ」も、そんな悩みに直面している企業の1つ。運営するドトールコーヒー社は、その課題を、テクノロジーを活用した新たな採用方法で解決しようと取り組んでいます。その取り組みとその先に広がる新しい人材活用の在り方について、同社の人事部長・平本智也(ひらもと ともや)さんに話を聞きました。

採用者が減少していた理由と若者の変化

――ドトールでは、どういった人員不足の課題に直面していたのでしょうか?

平本 少し前の当社は人手不足への危機感が薄かったんです。理由はカフェという業態が学生における人気のアルバイトだから。当社のアルバイトの約8割が学生ですから、なんとなく働き手に困るわけがないという空気がありました。結果、「1日8時間・週5日」働ける人だけを採用したい、みたいな店舗も出てきたりする。

――店側の事情ばかり考慮して、働き手の事情をあまり考慮していなかった。

平本 今の学生世代の1人当たりのアルバイト時間は減っています。学生を取り巻く環境や意識が変わり、学校の授業やインターンなどに使う時間が増えていますし、価値観も変化してきています。

ドトールコーヒーで人事部長を務める平本智也(ひらもと ともや)さん

――価値観の変化とは?

平本 変化でもあり多様化ともいえるのですが、「安定」を重視する傾向は強いですよね。右肩上がりの経済成長が止まった時代の家庭で育ってきたからかもしれませんが、「借金などリスクを背負ってでも何かをやりたい!」というよりも「目の前にあるお金の範囲内でできることをやる、暮らす」ことを大事にするような価値観。

――がむしゃらにアルバイトをする感じではない?

平本 「お金をたくさん稼いで何かをしたい。そのためのアルバイト」ではなく、「アルバイトは社会勉強のためにあるもの」という意識を感じます。

――授業やインターンについての話も含め、真面目な印象も受けます。

平本 昔は「1日8時間・週5日、働きます!」という人もたくさんいましたが、今は1日4、5時間・週3日で十分」という感覚でしょうか。そういった背景もあって、年々働きたいという人が減少していき、店舗からも人手不足の声が増加していきました。ただ、実は応募いただく人数自体はそれほど減っているわけではないんです。減っているのは採用者。採用確率が落ちていた。もし働く側の要望に応えられていれば何も問題はなかったはず。

――働く側の要望とは「1日3時間だけ」や「週2日だけ」といった細かい勤務条件希望という意味でよろしいですか?

平本 はい。そういった要望に応えようにも人件費には限りがあるので、1つの店舗で100%応えるのは難しい。そこでこれから取り組もうとしているのが「エリア採用」という方法です。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.