――村上さんの著書『生涯投資家』(文藝春秋社)では、幼少期の村上さんが、投資家だった父親から、お金や投資に対する哲学を教わった体験が書かれています。特に父親から毎月のお小遣いの代わりに100万円を渡されて「これを増やしなさい」と言われたという告白は衝撃的で、一つ一つのエピソードがとても面白く、僕も大好きな本です。一方で、普通の人は、村上さんのように幼少期からお金や投資に接する機会が少ないのも現実ですよね。
それはそうかもしれない。だから、同時にいろいろとやっていかないといけないですね。今回の授業もその一環ではあります。
僕ね、(森永)康平さんのお父さん(経済評論家の森永卓郎氏)が、いろいろやってらっしゃるのは「本当に偉いなぁ」と、思って見ているんです。でもね、一つだけ疑問があるんです。お父さんが言うように「1カ月1万円で過ごすこと」を勧めるのは、日本の経済にとって本当にいいことなのか? って(笑)。「どうやったら半額で買えるか」を考えるのが本当に経済学なのかと思う部分があります。経済っていうのは、お金を使って、ぐるぐる回していかなければいけないのではないでしょうか。
まぁ、こんなこと言うとあれですけど、お父さんもギャラをもらってやっている部分もあるのかもしれないですけどね。もっと言えば、お父さんもいっぱいもらっているのだから、貯(た)めてばかりいないで、何かに使わないといけないよね。
――確かにどうかと思いますね……。
それからもう1つ。どこかの番組で「子どもたちに10万円も持たせたら危ない。自分だったら恐い」ってお父さんが言っていたけど、怖いことも重要なんですよ。怖くてやめたっていいんですよ。
子どもたちに対して、恐いことも、面白いことも経験をさせないことこそが、奨学金や学生ローンの話につながっていくと思う。取り返しがつかないんですよ、奨学金も学生ローンも。僕はそれを「恐怖」だと思っています。せっかく勉強したのに破産するって悲しくないですか?
だから、「節約のススメ」っていうのもあるんだけど、お金を使うことの意義も考えてもらって、かつ投資をすることも決して悪いことじゃないというのは伝えたい。場合によっては「今のこのやり方で投資をしちゃいけないんだ」と思ってもらってもいいんです。「(お金は)こんなに恐いものなんだ。あっという間に減っちゃうんだ」と思ってくれていい。
「何事も挑戦だし、経験だ」と、思っているんです。
やっぱり、「1カ月1万円生活」はキツいですよ。お父さんは1人でマンションに住んでいるんでしょ? 「家に帰ってきて」って言いなよ(笑)。
――父親は趣味にはお金を使っていますよ。ミニカーとかコレクションには相当な額を使っていると思います。自分のコレクションを展示する博物館も建ててしまいましたし(笑)。
そんな博物館があるの? 世に出ている?(笑)。ミニカー好きなんだ?
――昔、まだ両親と実家で暮らしていたとき、父親が持っているミニカーのコレクションが重すぎて地盤沈下を起こし、家の壁にヒビが入っていましたからね。
その話、有名なの? 家が地盤沈下って(笑)。でも、お父さん、体重減ったから家への負担は多少減ったんじゃないの?(笑)。というか、ライザップって本当に痩せるの?
――痩せましたよ。いまは私の方が、体重があります……。
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