“ウナギ密漁”の実態を追う――「まるでルパン三世の逃走劇」「土用の丑の日」に憂う【中編】(4/5 ページ)

» 2019年07月25日 05時15分 公開
[真田康弘ITmedia]

高知県での取り組み

 高知県はシラスウナギ採捕許可期間が12月22日から3月11日までと他府県に比べて短く、密漁対策にも積極的に取り組んでいる。

 面積が7105平方キロと国内第18位の面積を有する高知県は、東西にも長く、シラスウナギの採捕地も点在している。こうしたなか、現在合計3隻の船を用いて水産振興部漁業管理課の職員などが手分けをして密漁の取り締まりに当たっている。

 県庁担当者は「シラスウナギの密猟事案が多いのは高知の中央部のあたりなので、そこに手厚く人員を配置している」と教えてくれた。

 また、「2000年から密漁事案一般の司法手続きに明るい、県警のOBに頼んで来てもらうようにしている。以降は、県警との間の意思疎通もスムーズにいくようになった」と取り組みを振り返る。

 現在は県警の刑事課や生活環境課など、シラスウナギ事案を扱う部署に、毎年密漁の実態把握と取り締まりを要請するとともに、シラスウナギのシーズンが近づいてくると、県警と情報交換をしながら、合同捜査も実施しているそうだ。「全国的にもうちが一番、強制捜査で通常逮捕や現行犯逮捕を行っているのではないかと思う」と担当者は胸を張る。

photo 高知県はシラスウナギ採捕許可期間を12月22日から3月11日までと限定している(高知県「平成30年度うなぎ稚魚(しらすうなぎ)特別採捕取扱方針(内水面) 案」)

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