一方、このような「賃上げ亡国論」を、そういうブラック経営者みたいな発想から抜け出せないから、20年経っても一向に経済が持ち直さないんだよ、とバッサリ斬り捨てるのが、「賃金上げしないと日本は滅びるおじさん」である。
彼らの理論的支柱となっているのが、元ゴールドマン・サックスの“伝説のアナリスト”として知られ、政府の観光推進政策にも大きな影響を与えている、デービッド・アトキンソン氏だ。
これまで著書やネット記事で、生産性向上には企業規模を大きくすることが必要不可欠として、中小企業の統合・再編を促すため、最低賃金を毎年5%ずつ引き上げるべきだと強く主張してきたアトキンソン氏は「賃上げ亡国論」に対して以下のように反論している。
アトキンソン氏と言えば、日本の大手銀行が17もあって群雄割拠していたバブル期に、「日本の主要銀行、2〜4行しか必要ない」というレポートを出した「慧眼(けいがん)」で知られる経済分析のプロフェッショナル。つまり、最新の研究データとロジックに基づいた、ドライな科学的考察を支持するのが「賃金上げないと日本は滅びるおじさん」なのだ。
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