中国人訪日客にこの夏人気、「君の名は。」聖地と「意識高い系」スポット!?SNSの投稿データから分析(1/2 ページ)

» 2019年08月09日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]

 訪日客の中でも、特に膨大な数を占める中国人客。彼らが最も日本にやってくるのが、夏休みに当たる7〜8月だ。2017年の日本政府観光局の調査でも、7、8月の訪日中国人数はそれぞれ約78万人、82万人と同年のピークになっている。

 今夏、日本を訪れる中国人客はどんな観光地に殺到しているのか。中国人のマーケット分析を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)が、彼らのSNSへの投稿データを元に独自分析したところ、ちょっと意外な結果が浮かび上がった。沖縄や札幌といったもともと高い人気を誇る観光地が上位を維持する一方で、今までちょっと見なかったスポットも新たに浮上している。特徴は「オタク系」の聖地と、「意識高い系」向けスポットだという……。

 調査は、中国版Twitterとも言われるSNS、ウェイボーの投稿からサンプルを抽出。中国語で「行った」という表現と共に、日本の地名・観光スポットを書き込んでいる7月中の投稿約42万件を分析し、ランキング化した。17〜18年(7〜9月)投稿分のランキングと比較することで、今夏の訪日中国人客の人気スポットの流行に迫った。

photo アニメ『君の名は。』の聖地として中国人客にも人気の飛騨市図書館(岐阜県飛騨市。同市の公式webページより引用)

アニメ『君の名は。』聖地の図書館が浮上

 トレンドExpressの担当者によると、中国人に近年人気の観光地は「西高東低」の傾向が目立つという。6位「鹿苑寺金閣(京都市)」や10位「天橋立(京都府宮津市)」14位「あべのハルカス(大阪市)」といった、関西エリアの有名観光地が上昇している。

photo 中国人向けSNSウェイボーの7月分投稿から分析した「中国人が訪れた日本のスポットランキング」(トレンドExpress調べ。クリックで拡大)

 日本人にも人気な有名観光地が上位のランキングの常連になる一方、ややマニアックなスポットも登場してきている。同社の担当者は「アニメや漫画、アイドルのファンが『聖地巡礼』で訪れるような、小型スポットへの訪問が増えている」とみる。

 例えば、18位に登場した「飛騨市図書館(岐阜県飛騨市)」は、大ヒットした劇場版アニメ「君の名は。」の舞台となった。中国でも人気を博した作品で、ファンの“巡礼”が相次いだとみられる。16位の「AKBカフェ(東京・秋葉原)」も、日本アイドルへの根強い人気がうかがえる。これまでも日本で人気コンテンツの聖地巡礼を行う中国人は少なくなかったが、比較的小規模なスポットであっても、他の日本の有名観光地を押しのけるほどの話題性が出てきていると言えそうだ。

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