中国人訪日客にこの夏人気、「君の名は。」聖地と「意識高い系」スポット!?SNSの投稿データから分析(2/2 ページ)

» 2019年08月09日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]
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「SNS映え」や「意識高い系」アピールの人も?

 一方、トレンドExpressの担当者は「オタク受けだけでなく、いわゆる“インスタ(SNS)映え”するようなスポットを好んだり、ちょっと“意識高い系”を気取って訪問先を選ぶ中国人もいるようだ」とみる。

 例えば、19位の「忍野村(山梨県)」は富士山に近く、写真映えする景色で人気に。世界遺産としての富士山の一部を構成する湧水池である「忍野八海」などが評判になっているとみられる。「女人高野」として知られる「室生寺(奈良県宇陀市)」(22位)も、フォトジェニックな風景が人気となっている。

 最近では、京都の「鹿苑寺金閣」(2位)のようにもともと絶大な知名度を誇る寺社だけでなく、上記のようにそこまでは国際的にメジャーでなかったお寺も中国人客に人気だ。トレンドExpressの担当者は「日本の伝統文化が好きというのもあるが、自分が日本文化に浸っているとSNS上でちょっと気取りたい、“意識高い系”のような人も多いようだ」と分析する。

photo 訪日客に絶大な人気を誇った築地魚市場(東京都中央区)。豊洲移転後も、中国人訪日客の間で強い知名度を維持しているようだ(写真は移転前 提供:ゲッティイメージズ)

 また、少し奇妙な動きも見えてきた。日本のインバウンドの代表的なスポットとして訪日客に人気だった「築地魚市場(東京都中央区)」が、豊洲に魚市場が移転した今もまだ25位にランクインしている。トレンドExpressが中国人のSNS投稿を分析すると、実際には移転先の豊洲を訪れている客が「築地」と書き込んでいる例も少なくないという。「築地という名前のブランド力や知名度はいまだに高い」(同社の担当者)。ちなみに、「豊洲」というワードは50位以内にランクインしていない。

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