中国で最も盛り上がる祝日、春節(旧正月)となる2月5日までもうすぐ。今年も中国からの訪日客によるインバウンド需要が期待される。以前はやった「爆買い」だけでなく、近年は中国人客が日本旅行に抱くニーズも、アクティビティーや飲食で盛り上がる「コト消費」にシフトしてきたようだ。
中国市場のマーケティング支援を手掛けるトレンドExpress(東京・千代田)は、中国人向けSNSで彼らが「訪日時に食べた」とつぶやいた書き込みデータを独自に集計、ランキング化した。上位にはすしやラーメンだけでなく、唐揚げ、日本のビールなどちょっと不思議な飲食品が並んだ。
同社は中国版Twitterとも呼ばれるSNS「ウェイボー」の2018年分のつぶやきを分析した。1位の「すし」は、17年には11位と一時下落していたが再びトップに返り咲いた。トレンドExpressの担当者は「17年は築地市場移転の直前に伴って日本での混乱が中国にも伝わり、すしを食べに築地に行く人に影響があった」と分析する。やはり「すし=築地」というイメージは強いとみられる。
3位の「唐揚げ」は、コンビニ各社がカウンターに置くスナックとして近年品ぞろえを強化していることから、中国人客も買い物ついでに食べているとみられる。同じように9位の「焼き鳥」、10位の「串かつ」など、居酒屋のおつまみとして人気のメニューが上位にランクインした。中国でも似た料理が多く存在することに加え、実は「孤独のグルメ」や「深夜食堂」といった食を扱った日本ドラマが現地でヒットしていることが影響しているという。
トレンドExpressの担当者は「こうしたドラマは17年頃から中国でブームになっている。(作中に登場するような)赤ちょうちんをぶら下げているような居酒屋で食べられる串かつ、焼き鳥、唐揚げといった料理が人気を博している」と分析する。実際、東京・新宿の「思い出横丁」や、大阪の「新世界」などが人気スポットだという。加えて焼き鳥は大衆店だけでなく高級店も多く、こちらは中国の富裕層が好んで通う傾向にある。
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