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» 2019年09月04日 14時11分 公開

「メルカリ経済圏は作らない」 決済手数料ではなく信用情報モデルを志向するメルペイ (1/2)

メルカリのスマホ決済事業子会社メルペイは、グループ内での囲い込みによる経済圏の創出ではなく、ユーザーの信用情報を使ったビジネスを志向している。利用代金を翌月にまとめて支払える「メルペイあと払い」の利用を拡大させ、このサービスを高度化していく戦略だ。

[斎藤健二,ITmedia]

 「経済圏、囲い込みという言葉は使わないことに決めている。より多くのシーンで使われるほうが便益は大きくなる」

 メルカリのスマホ決済事業子会社メルペイの山本マーク執行役員CBOは、9月4日に行った記者向け勉強会でこう話した。積極的な利用促進キャンペーンなどで先行投資を重ねるメルペイだが、決済手数料を収入とするビジネスモデルは考えていない。

メルペイの山本マーク執行役員CBO

 ではどのような事業を目指すのか。ヒントは、同社がミッションとして掲げる「信用を創造して、なめらかな社会を創る」にある。

メルカリ、メルペイの利用状況から与信を行う「メルペイあと払い」

 メルペイは4月に「メルペイあと払い」をスタートした。これはチャージ金額がなくてもメルペイで決済が行え、代金は翌月にまとめて支払えるサービスだ。利用者の信用情報に基づき、クレジットカードのように後払いを実現した。

 メルペイあと払い利用に限ったキャンペーンも行ってきた結果、利用者数は順調に増加。約7割が30代以下で、女性が過半数を占める。

 「メルカリ利用者には、20代や30代の若年層の利用者が多い。その中では、銀行やクレジットカード会社が使う、信用の属性情報が少ない方が多くいる。そういう人は、信用に基づいたサービスを受けられない。そんな人にも信用を提供して、便益を提供できないか」。山本氏は、メルペイあと払いの意義をこう説明する。

メルペイあと払いの利用者は順調に増加。ただし具体的な利用者数や、全体に占める割合は公表しなかった

 銀行やクレジットカード会社では、利用者の信用情報を元に与信を行い、利用できる限度額を設定する。しかし、元となるデータは基本的に勤務先や年収などいわゆる属性情報だ。メルペイは、ここで漏れてしまった人に、信用にもとづいたサービスを提供する。

 具体的には、メルカリおよびメルペイでの利用状況を元に、機械学習を使って限度額を設定する。メルカリでの期限内の発送など、約束を守って取引を行っているかなどの情報を使う。「銀行の与信は、約束を守るかよりもどのくらいお金を持っているのかにフォーカスしている。メルペイあと払いでは、約束履行状況を加味して見ている」(山本氏)

 メルカリ内で商品の購入代金を後払いする「月イチ払い」を2年前から提供しており、こうしたデータを使って機械学習のモデルを精緻化してきた。貸し倒れ率も、想定より良好だという。

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