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» 2019年09月04日 14時11分 公開

「メルカリ経済圏は作らない」 決済手数料ではなく信用情報モデルを志向するメルペイ(2/2 ページ)

[斎藤健二,ITmedia]
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メルペイあと払いの高度化で、金融事業に進出か?

 今後の戦略としては、このメルペイあと払いの高度化に注力する。方向性は2つだ。

クレジットカード会社や銀行が提供するサービスに、動的な利用実績からの与信という観点で参入する

 1つは、日常的な後払いニーズに応える形の高度化だ。具体的なサービス内容は別途発表するとしたが、現在翌月の1回払いとなっている支払い方法について、分割払いを可能にすることなどが想定される。これを実現した場合、クレジットカードでいえば分割払い、リボルビング払いにあたり、期間に応じた金利を得るというビジネスモデルが実現する。

 2つ目は、従来銀行などが提供しているライフイベントの資金需要に応えていく方向だ。自動車ローンや教育ローン、住宅ローンなどのジャンルが当たる。ここに向けては、メルカリ・メルペイ内での利用状況データだけでなく、既存の属性情報も第三者から取得し、組み合わせていくことを検討している。

 分割払いなどはクレジットカード会社の主力のビジネスだ。山本氏は、「クレジットカードと競合しているわけではない」とするが、現在クレジットカードからのチャージが行えないメルペイの設計を見ると、メルペイあと払いと競合するクレジットカードを、戦略的に対応させていないようにも見える。

「信用スコア」は作らない

 サービスの利用状況に基づいて、ユーザーの信用を利用するモデルは、中国のアリババグループが提供する芝麻信用が有名だ。ここでは、ユーザーの信用を点数化し、本人にも明示するほか、第三者にも提供することで、信用スコアの高い人に特典的なサービスを提供している。

 しかしメルペイでは、その方向を否定する。「あなたが何点です、ということを伝えたり、第三者に伝えるような想定はしていない。一律の指標で信用があるなしを表現するのは、プライバシーを含めて危険性がある」(山本氏)

 メルペイは「経済圏を作らない」というように、対外的にもオープンを掲げ、連携を重視しているが、今後ビジネスの根幹となっていく信用情報については、慎重な扱いだ。「より多くのシーンで使われる方が、便益は大きくなる。ただしプライバシーの観点では、本人確認情報や信用情報はそのまま外部に出していいものではない。それを整理しなければ、外部に出すのは難しい」(山本氏)

メルペイあと払いでは、アプリ上のUXも工夫している。与信上限はユーザー自身に提示され、そこから実際の限度額をユーザーが設定できるようにした。それによって「使いすぎたくない」というユーザーニーズに応えた。また、利用状況はリアルタイムにアプリ上で確認でき、月間の合計利用額も確認できるようにしている
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