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» 2019年09月17日 06時00分 公開

部下を育てられない“日本のダメ上司”が必ず陥るワナ――元GE「リーダー育成専門家」が斬る世界基準の部下育成法とは?(3/4 ページ)

[田口力,ITmedia]

部下に避けられていると気付かない「ダメ上司」

 あなたの部下たちは、あなたが自席で仕事をしているときに、何のためらいもなくスッと近づいて話しかけてきますか。それともあなたの様子をうかがって、途中で引き返すことがありますか。もしそのようなことがあったとしても、あなたはそれに気が付いていないかもしれません。

 なぜならあなたは仕事に集中するあまり、PCのモニターをにらみつけ、周囲の様子に注意を払っていないからです。眉間(みけん)にしわを寄せたその表情はこわばっていて、鬼のような形相かもしれません。

 GEで新任マネジャー対象の研修を行っていたとき、私はいつもこの点について注意を促していました。

 何か問題を抱えた部下があなたに相談しようとしても、あなたが近寄りがたい雰囲気を醸し出していたとしたら、どうなるでしょう。

 まだ小さな火種のような問題を解決する機会を逸した部下は、自分で何とかしようと考えます。しかし、何ともならないのが世の常です。その問題は大火事の一歩手前になってしまい、どうにもならなくなってからあなたに相談に来るのです。

 そして、あなたは部下を烈火のごとく叱りつけます。「何でもっと早く相談しなかったのだ」と。部下はひたすら謝りますが、心の中では「だってあんたの顔が怖くて相談に行けなかったんだよ」と叫んでいます。

 小さな火種に対処するような問題解決の場こそ、仕事を通じた部下育成の絶好の機会です。にもかかわらず、「近寄りがたい雰囲気」がそのチャンスをつぶしてしまっているともいえます。

 GEではかつて、社員のあるべき行動規範を示したGEバリューというものがあり、多くの企業がお手本としています。そのバリューの中の1つに、「包容力」(Inclusiveness)というものがあります。主なポイントは次の通りです。

  • 反対意見やアイデアを歓迎する。他の意見に耳を傾け、謙虚である
  • 他部門と協力しあって業務を行う。個人や文化の違いを尊重する
  • 社員のエンゲージメントとコミットメントを促進する

 私がGEバリューを教えるときに強調していたことは、包容力のあるリーダーは「Approachable である」(近寄りやすい)ということです。部下はもちろんのこと他者にとって近寄りやすい人であるということは、包容力のあるリーダーとして基本中の基本です。

すぐできる! 「自分の包容力」チェック法

 逆に部下や他者があなたに対して「注意深く」(Careful)近づいてきていたら、それはあなたの包容力に対する注意信号です。自信と謙虚さを兼ね備えていない人間が管理職になってしまうと、ありもしない威厳を示そうとして「偉そうな」態度を取ります。

 あなたもそうした人の1人や2人、思い当たる人がいるはずです。そしてその人が醸し出している雰囲気が、職場の雰囲気に大きな影響を与えることも知っているはずです。

 こうしたことを研修で教える者として私自身が実践していたことは、PCのモニターの横に鏡を置いて、自分の表情をチェックするということです。

 始めのうちは鏡があることを意識してしまいますので、鏡を見るときに表情を和らげてしまいますが、そのうち鏡に対して意識が向かなくなります。そうすると素の表情を見ることができます。ぜひ試してみてください。

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