ファミマが普通の「ソース焼きそば」を“健康強化枠”に 開発の狙いとは?味を損なわない工夫も(2/3 ページ)

» 2019年09月14日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

納豆のネバネバ成分を活用

 1つ目は、食塩を天然調味料に置き換えることだ。ファミマが使っている天然調味料の食塩相当量は0グラムだが、塩味が感じられるという。

 2つ目は納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸を天然調味料と組み合わせることだ。天然調味料に特有の苦みがある場合、ポリグルタミン酸を加えるとその苦みが無効化される仕組みを活用する。

 3つ目は減塩しょうゆの利用だ。40%減塩のものを通常の濃口しょうゆとブレンドして調理することで、おいしさと減塩を両立させる。

 4つ目は食材や調理方法を変えることで、塩味以外の味を際立たせることだ。例えば、だしのうまみを付与したり、香味野菜・スパイスなどを使ったりする。また、香ばしさを出したり、とろみをつけたりする手法も採用する。

ソース焼きそばの塩分を41%削減

 それぞれの新商品は、どのようにして減塩されているのか。

 減塩に大きく成功したのが「ソース焼きそば」だ。7.4グラムだった食塩相当量を、4.3グラムまで減らした。減塩ソースを使うだけでなく、香辛料を活用しておいしさを維持したという。

 「きつねうどん(関東版)」は、5.3グラムだった食塩相当量を3.9グラムに削減した。ナトリウムを天然調味料に置き換え、ポリグルタミン酸でマスキングすることで苦みを無効化させた。

 いかにも塩分が多そうな「チャーシュー炒飯」。現行では4.9グラムだった食塩相当量を3.3グラムに減らした。減塩しょうゆに置き換え、調理機を変更して香ばしさを増やした。さらに、油のコクをアップさせ、スパイスも使用している。

 塩分を減らす“健康強化枠”に入ったナポリタンやソース焼きそばは、9月以降に店頭に並び始める。減塩という取り組みは、お客に支持されるだろうか。

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