2019年6月22日に、東京・神保町の書泉グランデにおいて、「スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫さんトーク&サイン会」が行われた。
鈴木敏夫氏といえば、スタジオジブリのプロデューサーとして、宮崎駿作品をはじめとするアニメーション映画の制作に尽力している人物だ。一方で鈴木氏は、ラジオ番組「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」のパーソナリティーなどで、映画や文化、社会問題といった多彩な話題を、軽妙なトークで自在に語ることでも知られている。また、初のノンフィクション小説『南の国のカンヤダ』(小学館)も話題になっている。
当日は、鈴木氏と親交がある高橋豊氏(アニメイトホールディングス代表取締役会長、「高」は正確には「はしごだか」)が来場。鈴木氏と高橋氏が出会った徳間書店の編集者時代のエピソードが語られた。鈴木氏の就職活動や、徳間書店に入社して配属された『週刊アサヒ芸能』での仕事といった話題が登場するなか、トークの中心となったのは、鈴木氏の徳間書店時代の上司である故・尾形英夫氏との思い出だ。
『月刊アニメージュ』の初代編集長となった尾形英夫氏の下で、新人時代から編集者として仕事を続けてきた鈴木氏(ちなみに鈴木氏は『月刊アニメージュ』の二代目編集長)は、この尾形氏から大きな影響を受けたという。徳間書店入社前後の話題や、尾形英夫氏については、鈴木氏のロングインタビュー集『風に吹かれてI――スタジオジブリへの道 』(中公文庫)や『風に吹かれてII――スタジオジブリの現在』(中公文庫)の中にも登場しているが、今回語られたのは、部下である鈴木氏の目から見た尾形氏の、型破りなエピソードだ。
鈴木氏による味わいのある語り口で活写される、昭和の雑誌編集者の個性的な姿をご堪能いただきたい。
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