新登場の“あんぱん“はサブウェイを救う? 苦戦が続く原因から読み解く長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

» 2019年10月01日 10時50分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

背景にコッペパン専門店の人気?

 サブウェイが菓子パンを出す背景には何があるのか。日本では近年「パンの田島」や「コメダ謹製 やわらかシロコッペ」といったコッペパン専門店が人気を博している。顧客の注文を聞いてその場で具材を挟んでいくやり方は、サブウェイに似ている。

 元々、岩手県盛岡市の「福田パン」で販売していたコッペパンが、安価に学生の空腹が満たせるというので人気になっていた。13年に同店で修業した「吉田パン」が東京・亀有にオープンして行列店になってからは、首都圏をはじめ各地で模倣されている。

 パンの田島はドトール・日レスホールディングス傘下である老舗パン専門店「サンメリー」の新業態。首都圏と一部近畿地方で10店ほどを展開していて、しばしば行列になる人気店だ。“メロンパンのコッペ”のような、新しい提案も行っている。

photo コッペパンを売るパンの田島

 そのパンの田島で人気になっているのは「つぶあんマーガリン」のような甘いコッペパン。「ハムたまご」のような惣菜コッペパンもあり、価格は200〜300円台が主流だ。ドトールがコッペパンに合うように開発した「田島ブレンド」というコーヒーも提供する。

 やわらかシロコッペは、喫茶チェーン「珈琲所 コメダ珈琲店」の新業態。自社工場で焼き上げており、ただの懐かしいコッペパンではない。パンのやわらかさにとことんこだわり、白めでしっとりとした食感を持つ。1番人気は名古屋らしい「小倉マーガリン」。「名古屋風ナポリタン」のような、おかずコッペもある。店舗数は首都圏と中京圏に12店で、イートイン設置店ではコメダのコーヒーが飲める。

 このようなコッペパン業態の勃興からすれば、サブウェイが勢いにあやかろうとするのも理解できる。

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