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» 2019年11月13日 16時14分 公開

謎肉とは関係ありません:「培養肉」を食べてみたいですか? 培養ステーキ肉の実用化を進める日清食品HDが調査

日清食品ホールディングスが調査を実施。世界的に注目されている「培養肉」について聞いた。実は同社は培養肉の開発も推進している。

[昆清徳,ITmedia]

 日清食品ホールディングス(HD)と弘前大学人文社会学部の日比野愛子准教授の研究グループは「培養肉に関する大規模意識調査」を実施した。動物の個体からではなく、細胞を体外で組織培養することで得られる「培養肉」が、一般の人々にどの程度受け入れられるかといったことを調べた。

日清食品HDが東京大学と作製したサイコロステーキ状のウシ筋組織(=リリースより)

 将来、世界的に食肉消費量が増大することがほぼ確実視されている中で、培養肉に注目が集まっている。通常の家畜の生産には大きな環境負荷がかかるだけでなく、飼料や土地不足も懸念されているからだ。

 調査では「培養肉は世界の食糧危機を解決する可能性がある」という意見にどの程度の賛成が得られるかを調べた。すると「強く賛成する」(16%)、「どちらかといえば賛成である」(39%)という前向きな意見が半数以上を占めた。一方、「どちらともいえない」(39%)、「どちらかといえば反対である」(4%)、「強く反対する」(2%)という回答も得られた。

 「あなたは培養肉を試しに食べてみたいと思いますか?」という質問に対しては、「まったくそう思う」(6%)、「ややそう思う」(21%)、「どちらともいえない」(29%)、「あまりそう思わない」(24%)、「まったくそう思わない」(20%)という回答結果となった。培養肉の社会的意義に一定の理解を示しつつも、実際に自分が食べるとなると、ややしり込みする人がいるようだ。

意識調査(=リリースより)

 培養肉について聞いたことがある回答者に、培養肉の実用化が食糧危機の解決や動物愛護に貢献する可能性があることを伝えると、「培養肉を試しに食べてみたい」と考える回答者が5割に増えることも明らかになった。

 以上の結果から、同調査では「培養肉の受容性はまだ高いといえないが、認知度を上げつつ、メリットをアピールすることで、一般の方々の培養肉の受容性が向上する可能性が示唆されました」としている。

 この調査は、全国の20〜59歳の男女2000人を対象に、5月30日〜6月2日にかけてインターネットを通じて行われた。

培養ステーキ肉の実用化を進めている

 日清食品HDは、東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授の研究グループと、牛肉由来の筋細胞を用いて、サイコロステーキ状のウシ筋組を作製することに成功している。広報担当者は「細胞を培養して増やすこと自体はそれほど難しくありません。しかし、一般の方々が食べたいと思うような、厚みがあって歯ごたえがあるような培養肉をつくるのは難しいです」という。このように、将来的に食肉の調達に困ることがないよう、「培養ステーキ肉」の実用化に向けて取り組んでいるのだ。今回の調査は、こういった背景を踏まえて行われた。

 ちなみに、広報担当者によると「よく誤解されますが、カップヌードルの謎肉とは何の関係もありません。培養肉が実用化された際、どのような商品に使用するかといったことは何も決まっていません」という。

筋細胞の成熟過程(=リリースより)

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