ユニクロが倉庫の完全自動化に向けて動き出した。入荷した商品の検品、配送、保管、ピッキングといった出荷に至るまでの作業をロボットに任せることで効率化し、各店舗に必要な商品を必要な量だけ、適時投入できる体制を整えるという。合わせて過剰在庫や欠品の解消、需要予測を活用した販売計画の適正化などにも取り組み、「無駄なものをつくらない、運ばない、売らない」ことを目指す。
ユニクロを運営するファーストリテイリングは数年前からサプライチェーン改革に取り組んでいる。まずは改革に向けた組織作りに向け、2017年2月にユニクロのEC専用倉庫がある有明にユニクロ本部を移転。18年9月にはGoogleとの協業強化を発表し、機械学習や画像認識技術を活用して商品のトレンドや需要を予測するプロジェクトを進めている。
同年10月には、物流システム大手のダイフクとパートナーシップを締結。倉庫の自動化に向けてシステム開発などを進め、すでに国内外合わせて4拠点の倉庫で一部作業を自動化しているという。しかし、倉庫内から出荷する商品を集めるピッキング作業については、まだ自動化できていなかった。衣類は柔らかいためロボットでつかむのが難しいのに加え、同じ商品のサイズ違いなど判別が困難なものも多く、人力に頼らざるを得ない部分もあったからだ。
そこで19年11月13日、新たにロボット制御システムを手掛けるMUJIN(東京都江東区)との提携を発表。MUJINのシステムを使えば、ロボットにどんな動きをさせるか細かくプログラミングしなくても、多種多様な商品を判別して、その形状に合わせた動きや力でつかめるようになるという。まずは海外拠点の1つで導入し、ピッキング作業の自動化に役立てる計画だ。
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