さらに同日、自動物流システムを提供する仏企業・Exotec Solutions(エグゾテックソリューションズ)との提携も発表。自律型のロボットを使って必要な商品を倉庫から集め、人間がいる場所まで運ぶシステムを開発している企業で、こちらも倉庫を自動化する手段の1つとして、欧州にある海外拠点で活用するという。これらの取り組みを含め、倉庫の完全自動化には約1000億円を投じる計画。
ユニクロはこうした倉庫の自動化に加え、商品の企画や販売計画、生産、輸送などでも、それぞれ改革を進めていく計画だ。
商品の企画や販売計画には、顧客情報や店舗の販売実績、各地の天候やマーケット動向などのデータを活用。これまで各部署で管理していた情報を一元管理し、AI(人工知能)や数理最適化技術で解析することで、適切な販売計画や生産計画の作成に生かすという。
また、商品の企画、製造、輸送についても見直しを進める。3D CADを活用して商品企画をバーチャルで行う、コストを重視した大ロット発注から需要に合わせた多頻度・小ロットの発注に切り替える、緊急度や距離に応じて輸送形態を選べるようにする――といった工夫をこらし、リードタイムを削減することで、店舗やECの需要に合わせて製品を作れる体制を整えるという。
ファーストリテイリングの神保拓也氏(グループ上席執行役員)は「これまでは店舗に複数の製品を組み合わせたアソートメントボックスを送っていたため、その店舗が必要としていない商品まで投入され、過剰在庫や欠品になりがちだった。柔軟な生産体制を整え、必要な商品を自動でピッキングできるようにすることで、必要な商品を迅速に店舗へ配送できるようにする」と話す。
「こうしたサプライチェーン改革を進めるためには、優れた個人や企業との協業が重要になる。さまざまな領域で専門性の高いパートナーとのコラボレーションを進め、『お客さまがほしいものが、いつもある』という当たり前のことを、実現していきたい」(神保氏)
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