なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2019年06月04日 11時15分 公開

スピン経済の歩き方:ワークマンの大ヒットは、「安いのに高機能でオシャレ」だからではない (1/5)

ワークマンの勢いが止まらない。今年4月の国内店舗数はユニクロを超え、売上高も大幅に伸ばしているのだ。同社の成功要因として「激安なのに高機能でオシャレ」といった指摘が多いが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏は違った見方をしていて……。

[窪田順生,ITmedia]

 ワークマンの勢いが止まらない。

 新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」が若者や女性からもバカウケで、なんと今年4月の国内店舗数は839と、ついにあのユニクロ超えを達成。数字的にも好調で、2019年3月期決算のチェーン全店の売上高は前年同期比16.7%増の930億円となっている。

 そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのワークマンの成功をメディアが分析する際、必ずと言っていいほど出てくるのが、「プロ向け作業着の品質を生かして激安なのに高機能でオシャレ」という褒め言葉だ。

 もちろん、これはファンの方ならば納得の評価だろう。かく言う筆者もそのひとりで、アウトドアウェア「フィールドコア」のストレッチパンツは手放せないし、防水性能ウェア「イージス」の高機能ぶりは、雨のキャンプで実感をした。

 だが、その一方で作業服業界全体を俯瞰(ふかん)してみると、「プロ向け作業着の品質を生かして激安なのに高機能でオシャレ」をワークマン成功の要因として語ることにはかなりの違和感がある。

ららぽーと立川立飛に「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」がオープンした

 ワークマンが大ブレイクするはるか以前から、他の作業服メーカーでも「プロ向け品質を生かして激安なのに高機能でオシャレ」をうたうスポーツウェアやカジュアルウェアは展開しているからだ。

 例えば、北海道発の作業服店「プロノ」を展開するハミューレは2012年の段階で、『米作業着ブランド「ディッキーズ」と共同企画して雨がっぱなどデザイン性を高めた商品をそろえ、アウトドアやガーデニング目的の一般客が伸びている』(日本経済新聞北海道版 2012年5月18日)と報じられている。

 また、1924年(大正13年)に創業した、広島の老舗作業着メーカー「自重堂」は現在、新庄剛志さんをイメージキャラに起用して高い機能性のあるカジュアルウェア「Jawin」(ジャウィン)を展開、同じく俳優・市原隼人さんを起用して、スタイリッシュな世界戦略ブランド「Z-DRAGON」(ジィードラゴン)を展開している。

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