2018年のヒット商品番付で、上位にランクインするのは何か。ネット関連で言えば「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」は話題になっているし、書籍で言うと『君たちはどう生きるか』は売れに売れた。このほかにもさまざまな商品やサービスがヒットしているが、記者はこれまでになかった新業態店に注目している。9月5日、ららぽーと立川立飛にオープンする「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」である。
「ワークマン」と聞くと、「建設現場で働いている人たちが買い物をするところでしょ。黄色と黒色の看板をよく見かけるけれど、入ったことがないなあ」といった人も多いかもしれないので、簡単に説明しよう。ワークマンの店内に入ると、作業着、安全靴、作業用品などがズラリと並んでいる。業界の勢力図を見ると、2位は50店、3位は40店ほどなのに対し、ワークマンは825店(2018年7月末現在)も構えていて、圧倒的なトップシェアを誇っているのだ。
2018年3月期の売上高(単体)は前年比7.3%増の797億300万円、経常利益は10.4%増の118億5600万円。8期連続で増収増益のこの会社は、ショッピングセンターにどのような店を出すのか。ワークマンは2年前に、アウトドアの「FieldCore(フィールドコア)」、スポーツウェアの「Find-Out(ファインドアウト)」、レインスーツの「AEGIS(イージス)」を展開していて、いずれの商品もよく売れている。17年3月期、3ブランドの売上高は30億円だったが、18年3月期は60億円に倍増し、今年度は115億円を見込んでいるのだ。
ワークマンプラス1号店ではこの3ブランドを中心に販売して、売上高は1億2000万円を見込んでいる。これをきっかけに全国のショッピングセンターに出店して、数年後には100店舗、売上高は120億円を計画しているのだ。
このような鼻息の荒い数字が並んでいると、「絵に描いた餅になるんじゃないの? 実現は難しいでしょ」と感じられたかもしれないが、記者はひょっとしたらひょっとすると感じている。なぜなら耐久性などが優れているのに、価格が安いからである。「同じような機能のアウトドアウェアであれば半額以下、スポーツウェアでは3分の1以下の価格を実現している」(同社の担当者)のだ。
これまでワークマンの店に入ったことがない人でも、ショッピングセンターにあればフラリと店内をのぞいて「お、安いじゃないか。ちょっと買ってみよう」という人が増えるかもしれない。しかし、ここで2つの疑問がある。1つは、なぜ3ブランドの商品がヒットしたのか。もう1つは、なぜ低価格の商品を提供できるのか、である。この秘密を解くためにワークマンで常務取締役を務めている土屋哲雄さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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