ときどきBATをBATHと一くくりにして「H」すなわち「Huawei」を、このアプリケーション開発者の中に入れる分類を見かけることがあるが、これは適切とは思えない。Huaweiすなわちファーウェイは、ビッグデータを扱う企業ではなく、ビッグデータが動く入れ物を提供している企業である。
図3-1の「データの流れ」で表示したように、データのやり取りはアプリケーション同士が直接通信しているのではなく、これを「宅急便」に例えるならば、まずは「発送者(発信者)」は「送りたい荷物(発信するデータ)」を「ダンボール」に入れて、「配達業者(キャリア)」に出す。
通信業界では、この一個一個の「ダンボール」を、「パケット(小包)」という名で呼んでいる。
「配達業者(キャリア)」が「受け取った荷物のダンボール(パケット)」に書かれているアドレスを確認あるいは確定して、「発送経路(ルーティング)」を選定してから、車などの「運送手段(携帯から基地局さらに基地局間通信)」に乗せて(載せて)まとめて発送する。
さらに荷物を「届け先=宅急便受取人(受信者)」の近くまで運び住所(アドレス)を見つけると、配送業者(キャリア)は車からダンボールを降ろして、荷物受取人(受信者)の家のドアホーンを鳴らすかノックして(=着信音)、荷物受取人(受信者)がその荷物を受け取る。間違いなくその人の手に渡った後に、荷物受取人(受信者)は初めてダンボール(パケット)を開けて中の荷物(通信内容)を取り出して見ていいのである。
その間、運送手段(宅急便などの車=スマホ&基地局など)自身は意識を持って荷物の中身(通信内容)を見ることはできないのである。インチキをしてダンボールを開けば、その痕跡が残り、誰にでも痕跡が見えてしまう。つまり、
送受信者=アプリケーション
配送業者=キャリア
運送手段=基地局&携帯(スマホなど)の機器
と、例えることができる。このことから分かるように、情報内容を知っているのは、送受信者(データを送信した者とデータを受信した者)=アプリケーションなのである。
すなわち、データ(情報)を持っているのはGAFAとBATということになる。
スマホおよび基地局はダンボールの中の情報を知ることはできない。つまりファーウェイは、理論的に、情報を知ることはできない。
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