中国メーカー「Xiaomi」はテック業界の“無印良品”となるか(2/3 ページ)

» 2019年12月13日 10時50分 公開
[本田雅一ITmedia]

スマホだけではない「ツボを押さえた」製品

 筆者も発表会に出席していたが、製品の見栄えはiPhoneシリーズほどではないものの、Android端末の中では高級機に近い位置付け。アクリルを使った製品とは一線を画す質感で、少なくとも写真で見る限りはミドルクラスの製品とは思わないだろう。カメラの画質は現時点で未知数は部分があるが、5つのカメラで幅広い撮影領域をカバーし、美しいディスプレイを備え、オリジナルのユーザーインタフェースはシンプルで使いやすそうに見える。

 さらに大容量のバッテリーを内蔵するなど、ハイエンドのパフォーマンスにこだわらないユーザー層が欲しがるだろう要素を高度にまとめている。本当に必要な、欲しいと思える要素だけに絞って商品作りを行い、それ以外の部分は過剰に盛らない。それがMi Note 10の魅力といえる。

 3ミリ厚の釜やIH制御の繊細さにこだわったIoT炊飯器、シンプルだが大容量のモバイルバッテリー、グローバルで人気の製品によく似た機能的なスーツケース。OLEDディスプレイを備えながら、求められる機能と3週間の長時間バッテリー駆動を実現したスポーツバンド。

Miスマートバンド4

 いずれもカッティングエッジではないが、実にツボを押さえて「ここを見て選ぶ」ポイントを磨く一方で、消費者の目線から少し外れるところはザックリと削る。また、日本市場に投入されていない製品には、5000円を切る体組成計、1万円を切るスマートフォンなどもある。

10000mAhのモバイルバッテリー

 シャオミは「まずはブランドを作るために世界最高峰のカメラを搭載したMi Note 10から始めた」というが、製品ポートフォリオを見渡すと、消費者ニーズを研究し尽くしたツボを押さえた商品企画と、フォーカスした領域にきっちりミートした商品を作ることのできる開発力の組み合わせがシャオミの強みだろう。

 そこにはほとんどの人にとって必要十分な、シンプルで飾り気のない製品を、家電から衣料品、日用雑貨まで取りそろえている。無印良品との類似というのは、やはり言い得て妙だろう。

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