大企業の「希望退職・早期退職者」募集は止まらず…… 各社のボーダーラインは何歳?(3/3 ページ)

» 2019年12月29日 09時00分 公開
[ITmedia]
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対象になるのは「年齢」とも限らない?

 大規模な退職者募集を行った企業の中には、対象者の年齢を明言していない企業もある。

・東芝: 18年11月に、収益力強化に向けた構造改革計画の一環として、約1060人の早期退職者を募集すると発表。19年3月末までの退職を前提に、東芝から約200人、連結子会社である東芝エネルギーシステムズ(ESS)から約800人、東芝デジタルソリューションズ(TDSL)から約60人を募集した。年齢などの条件は、対象部門ごとに策定したという。

・セブン&アイ・ホールディングス: 19年10月に今後の成長に向け、グループ全体で事業構造改革に取り組むと発表。イトーヨーカ堂では33店舗の閉店を検討し、22年度末の従業員数を18年度末比で約1700人減らす他、「そごう・西武」でも5店舗を閉鎖し、2店舗の売場面積を削減。こちらも同様に、従業員数を18年度末比で1300人減らすとしている。また、セブン-イレブン・ジャパンでも本部人数の適正化や不採算店舗の閉店を進める考えだ。

・日立金属: 19年10月、20年3月通期連結業績を下方修正するのに合わせて、「抜本的な事業構造改革に着手する」方針を発表。固定費削減に向け、グループ全体で売り上げ収益に応じて人員を圧縮するほか、国内拠点の帰休や、管理・専門職を対象とした早期退職の募集などを進めることを明らかにした。募集人数は明言していないが、対象者の退職時期は20年3月末予定としている。

 東京商工リサーチの調査によれば、2019年1月〜11月に早期・希望退職者を募集した上場企業は36社、対象人数は1万1351人に上り、18年(1〜12月)と比べるとどちらも約3倍に増加しているという。終身雇用を続けるか否か、多くの企業が向き合わざるを得なくなっているといえるだろう。

photo 主な上場企業の希望・早期退職者募集状況(=東京商工リサーチ調べ
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