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» 2020年01月28日 17時43分 公開

がんになった人の保険金を加入者が分担 P2P保険の「わりかん保険」が開始 (1/3)

インシュアテック事業を営むjustInCaseが、1月28日からP2P保険の「わりかん保険」の提供を開始した。これは、保険加入者の中からガンになった人が出たら、保険金を渡し、その費用を加入者全員で割って支払うという仕組みの保険だ。

[斎藤健二,ITmedia]

 インシュアテック事業を営むjustInCaseは、1月28日からP2P保険の「わりかん保険」の提供を開始した。これは、保険加入者の中からがんになった人が出たら、保険金を渡し、その費用を加入者全員で割って支払うという仕組みの保険だ。

日本の保険の原点「頼母子講」をテクノロジーで蘇らせる

 いざというときのために、みんなからお金を集め、必要な人に渡す。これは日本の保険の原点だと、justInCaseの畑加寿也社長は話す。「800年くらいまえに、頼母子講(たのもしこう)というのが生まれたといわれている。村長が村人からお金を集めてプールしておき、何かあったときに渡した。これが日本では保険の原点だ」。これを現代の手法で蘇らせたのが、わりかん保険だ。

 従来の保険では保険料を事前に支払うが、わりかん保険では事後になるのが大きな特徴だ。がんになった人が出たら一時金として80万円を渡し、月間にかかった保険金を合計して、翌月加入者で割り勘して支払う。そのため、「がんになった人がゼロなら、保険料もゼロになる」(畑氏)という仕組みだ。

わりかん保険の仕組み。誰かががんになったら、その保険金を加入者全員で負担する。誰もがんにならなければ、保険料も発生しない

 保険料については、一時金合計額に管理費用を約30%上乗せして、それを加入者で割る形を取る。畑氏は「助け合いの見える化」を挙げ、従来不透明だった保険会社の取り分についても開示する方針だ。管理費用は当初35%だが、加入者が1000人増加するごとに0.5%引き下げ、2万人時には25%まで引き下げる構造となっている。

 管理費は、保険料のバッファとしても使われる。もし加入者のうち、多くの人ががんにかかってしまったら、割り勘で支払う保険料が高騰する計算になるが、保険会社であるjustInCase側で上限保険料を定めてリスクを負担する。39歳までは500円、54歳までは990円、74歳までは3190円が上限となり、実際は0円からこの上限金額までが、月額保険料となる。

 「もし普通のがん保険を提供したら、保険料が500円になるような設計にしている」と畑氏。つまり、もしがんにかかる人が少なければ、保険料は500円より下がり、加入者にとってお得になるというわけだ。

 「従来の保険はすべてのリスクを保険会社が取る必要があった。そのためのリスクバッファが必ず保険料には入っている。これが、(わりかん保険では)多対多の契約なので、リスクバッファがかなり減る」と、畑氏は保険料が安くなる仕組みを説明した。

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