東京都は3月4日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、花見の時期に上野公園や代々木公園などの都立公園、都が管理する河川の河川敷で行う宴会を自粛するように求めると発表した。飲食をせず、散策しながら花見を楽しむことの自粛は求めていないが、その際も“咳エチケット”を徹底するなど、感染拡大防止を呼び掛けている。職場や家族、友人などのグループで花見を楽しむ光景はあまり見られなくなりそうだ。
サクラの開花が目前に迫る中、今年の花見についてどう考えている人が多いのだろうか。旅行サービスなどを手掛けるエアトリが3月5日に発表したアンケート調査結果によると、2月下旬の時点で、約2割が「今年の花見は控える予定」と回答。「空いているところで花見をする」も約3割を占めた。
今年の花見について、「名所に行く予定」と回答した人は10.8%にとどまった。「空いているところで花見をする予定」が28.9%、「今年は花見を控える予定」が22.2%となった。最多だったのが「検討中」で、38.2%だった。調査した2月下旬の時点で、中止したり規模を縮小したりすることを決めている人が5割だったが、まだ様子を見ている人も一定数いた。
例年の花見について聞くと、「毎年花見をしている」は34.4%、「する年としない年がある」が44.8%となり、花見を身近なイベントとして楽しんでいる人が多いことが分かる。
「現在、外出を控えているか」を尋ねると、「不要不急の外出は控えている」が27.9%、「人混みはなるべく避けている」が32.8%となり、6割の人が通常と異なる行動を取っていることが分かった。一方、「気にはなるが、控えてはいない」(31.1%)、「特に気にしていない」(8.2%)という人も一定数いた。
関西大学の宮本勝浩名誉教授が2018年に発表した日本のお花見の経済効果は、約2カ月間で6500億円。大人数が集まるイベントが中止になったり、飲食を伴うサービスが休止になったりする中、お花見の規模縮小も避けられないだろう。東京都が“自粛”を呼び掛けたことで、花見を控える人はさらに増えそうだ。
調査は2月23〜25日にインターネットで実施。20〜70代の男女967人が回答した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング