なぜ「日本の上司」は、“下に理不尽な要求をするおじさん”が多くなってしまうのかスピン経済の歩き方(6/6 ページ)

» 2020年03月24日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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「働く」ことは「自分のため」

 人口が減少していく中で、貴重な労働力をひとつの組織に縛り付けて、年功序列ピラミッドのなかで定年まで遊ばせているなんて、社会にとっても大きな損失である。そんな不合理なことを続けていれば、必ずどこかで誰かが無理をしなくてはいけなくなる。

 日本の労働者の多くが生きづらさを感じているのは、実は終身雇用という一見、労働者に優しい制度が人口減少によって「逆回転」を始めてしまっている面もあるのだ。

 世界の多くの人々が考えているように、「働く」ことは「自分のため」である。パワハラの被害者が後を絶たない日本も、「組織のために働く」という呪いのような考え方からいい加減そろそろ解き放たれるときなのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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