滝沢秀明ジャニーズ事務所副社長 10年前にYouTubeに目を付けていたビジネスセンスと先見性に迫る知られざる「唯一無二の才覚」(4/5 ページ)

» 2020年05月27日 17時33分 公開
[霜田明寛ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

受けた恩を、後進育成という形で返す“恩義に生きる男”

 そして、その先見性に加え、滝沢秀明がもっているのが、人への恩義である。

 「困ったときに助けてくれるのは人ですから」「自分の調子がいいときや成功したときは、つい周りのことを忘れちゃうと思うんですけどね、人って。そうなったら終わりだなって」(anan 2015年4月1日号)と、人の大事さを語る。

 ジャニー喜多川及び、事務所に対しても同様だ。

 「ジャニーズに拾われなければ今の自分は想像できない」(TBS「中居正広のキンスマスペシャル」2018年12月28日放送)と語り、その与えられたものに対する恩義は、タレントとしてブレイクしたあとも変わらず持ち続けている。

 「本当に全てを与えられていたので、少しでも返したいんですけどね。ただ、与えていただいたものの大きさを考えると、どんだけ恩返ししても足りない」(MYOJO 2015年5月号)と現役時代から語っていた。

 ジャニー喜多川には10代の頃、「ユーに10あげるから1返しなさい」と言われたという。引退直前のタイミングでその言葉について、中居正広に「いくつくらい返せた?」と聞かれ「まだ1個も返せてないと思います」と答えていた(TBS「中居正広のキンスマスペシャル」2018年12月28日放送)。

 もちろん恩を感じるだけではない。「ジャニーズという歴史をつないでいく作業もひとつの恩返し」(TBS『櫻井・有吉 THE 夜会』2016年7月14日放送)として、滝沢は自身が表舞台に立っているときから、後輩のジャニーズJr.の育成に熱を注いできた。

 「若者は絶対パワーがあるんだ。時代によってその出し方や出すタイミングが違うだけで、そのきっかけを大人がどうつくって導いてあげるかがポイント」(POTATO 2011年8月号)と信じ、自らがその大人の役割を積極的に担った。

 嵐の櫻井翔には、後進の育成に心を注ぎすぎて自分のことが手薄になってしまう可能性を尋ねられ「正直あるかもしれない」と認め、その理由をジャニー喜多川への恩返しだ、と語り、こう続けた。

 「ジャニーズという歴史をつないでいく作業もひとつの恩返しかなと思っていて。せっかくジャニーさんが見つけたコたちだから、何かしらの魅力があるだろうし。もったいないじゃん? 失敗したら」(TBS『櫻井・有吉 THE 夜会』2016年7月14日放送)と、後輩を育て続けた。

 そしてその延長線上にあった、タレント業を引退しての後輩の育成への専念。もちろん、“プレイングマネジャー”として生きる道もあったが、18年9月にジャニー喜多川に直談判。驚いたジャニー喜多川も「2人で5〜6時間も話した」(週刊新潮 2018年10月4日号掲載)末に滝沢の申し出を受け入れた。

 そこには「ジュニアといえども、やっぱりみんな人生をかけて活動しているので、僕もやっぱり人生をかけなければいけない」(TBS「中居正広のキンスマスペシャル」2018年12月28日放送)という信念があった。

phot 滝沢秀明ジャニーズ事務所副社長は「ジャニーズという歴史をつないでいく作業もひとつの恩返し」と語る(写真提供:ロイター)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.