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» 2020年06月10日 07時00分 公開

スマホ証券でNISAも 社長に聞く、大和証券グループCONNECTの狙い (2/3)

[斎藤健二,ITmedia]

手数料競争ではなく分かりやすさを重視

 他証券会社との差別化という意味では、手数料も気になるところだ。大槻氏は、手数料競争から、使いやすさ、分かりやすさのほうが重要になってきていると話す。ネット証券誕生当時は、チャートの種類の数が争われていた。使いやすさよりも、比較サイトでの星取りと、最安手数料を巡って競争が行われた。こうした経験を振り返り、ユーザーが真に求めるものは別にあると見る。

大槻氏 「投資家のためになるので、手数料は安いに越したことはないが、評価基準として使うほど重要度が高いだろうか。各社すでに全部安い。安いところでさらに安くしても経済的な価値が減りつつある。

 それよりも僕らが選んだのは分かりやすさ。一定の手数料率をかけるだけで決まり、最低手数料などがない。極端にいうと、1000円で買っても数円、最低1円から取引できる。上限はカットするので、一定の手数料になればそれ以上は取らない。さらに、月に10枚、無料になるクーポンも提供する。年間120回の取引には手数料がかからない」

 CONNECTのアプリでは、取引の際にクーポンを使うかどうかのチェックボックスがあり、選ぶと手数料がかからない。売買代金が小さければ、使わないという選択もできる。クーポンは翌月までは繰り越せるため、よほど売買頻度が高くない限り、手数料はかからない仕組みだ。

始めることと続けることがテーマ

 一貫して大槻氏が語ったのは、「始めることと続けることがテーマ」だということだ。では、続けるためのUIUXにはどんな工夫を盛り込んだのか。

大槻氏 「(取引アプリに)いきなり指数が何十個も並んでも、自分には関係ないと感じてしまう。日経平均などの指数表示は最低限にする予定だ。損益も銘柄別の一覧では見せていない。気にしてほしいのはポートフォリオだからだ。投信だったら合計パフォーマンスを見るだけで、投信の構成銘柄のどれが上がった下がったは誰も気にしていない。細かく見るから気になる。疲れてしまう。

 反面、過去にもらった配当金の累計を確認したり、売買の累計損益も確認したりできるようにする。蓄積して、ずっと残していくようにしていく。株式の配当金は、投資信託と違いチャートに反映されない。そのため、配当金込みのチャートも作れないかと思っている。

 これは資産形成アプリだ。細かな売買履歴は別として、過去のデータは一生涯捨てることは許さないと開発部門には言っている。長期資産形成と言うのだから、過去にどれだけの残高があったのかはずっと残したい。10年前でも20年前でも振り返って、『20代のとき、資産は100万円だったんだな、当時の配当金はいくらもらっていたんだな』と振り返れるようにしたい。そうすれば向こう10年がまた描ける」

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