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» 2020年06月10日 07時00分 公開

スマホ証券でNISAも 社長に聞く、大和証券グループCONNECTの狙い (3/3)

[斎藤健二,ITmedia]
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ポイントで拡大

 投資初心者を取り込む方法の1つとしてCONNECTが考えているのが、共通ポイントの利用だ。ポイント運用サービスを提供するSTOCK POINTと組んで、ポイントを使った投資運用の疑似体験を提供するとともに、投資ポイントが1株分となったら、実際の株式に変更するサービスを提供する。

大槻氏 「マイナンバーの登録など、証券口座の開設はハードルが高い。口座開設をしなくても、投資の疑似体験を提供したいという思いがあった。ただ架空のゲームでは楽しくない。そこで、投資を学ぶきっかけとして、『もらったポイントだからいいや』という気軽さで開始してほしい」

 ポイント運用は、STOCK POINTが新たに開発するStockPoint for CONNECTを使う。オリジナルのサービスはそのまま継続するが、ポイントなどをStockPoint for CONNECTに移すこともできる。STOCK POINTの土屋清美社長は、次のように話した。

土屋氏 「STOCK POINTで、銘柄をポイント運用してもらう。1株分になったら株にするボタンがあるので、それを押せば、CONNECTの口座に株としてお渡しする。ポイントだと疑似株主体験だが、実際に1株にすれば、立派な株主になる。ユーザーは、いろいろなポイントをたくさん持っているはずなので、さまざまなポイントに対応していきたい」

 利用できるポイントとしては、共通ポイントのPontaに対応する。またクレディセゾンの永久不滅ポイントも、StockPoint for CONNECTを介して連携する予定だ。

大槻氏 「(ポイントについては)うちはオープン。いろんなところにお声がけしている。投資を始めるきっかけとしてのポイントなので、できればどんなポイントでも始められるようにしたい。ポイント会員はスマホに習熟している人が多い。ポイントによるマーケティングに期待している」

オフィスにはPontaポイントのマスコットキャラクターも

口座数がKPI 売買から資産形成へ

 大手証券会社の相次ぐ参入で活気づくスマホ証券だが、証券業界には手数料無料化の流れもあり、事業環境としては厳しい道程が予想される。サービスおよび事業の展開については、どう考えているのだろうか。

大槻氏 「株式については一そろえ用意する。ポイントから始まって1株、単元株。そして、信用取引からIPOの取り扱いまでは年内には提供したい。その後は投資信託へ展開していく。金融以外の非金融にもいきたい。

 事業上、口座数は大事な数字だ。社会に影響を与えるという意味で、ある程度の広がりは求めていくが、何年で何口座という目標があるわけではない。預かり資産も最終的には顧客の満足度の現れなので大事だと思うが、それを目標にはできない。それを追うと富裕層向けビジネスに逆戻りしてしまう。

 ビジネスとしては、投資信託などの資産の積み上げによってもたらされる収益が中心になるだろう。手数料は無理だ。株にはもう(実質)手数料はないし、投信もネットでは販売手数料がない。無理に売買して入れ替えてもらう意味はすでにない。昔でいう回転売買は存在しない世界だ」

 取引アプリには板情報なども提供せず、売買に必要な情報よりも、長期に渡る資産推移データや累積配当額など、資産形成にフォーカスを当てていく。未成年口座やNISA口座への対応などは、この趣旨に沿った、CONNECTならではの特徴だろう。

大槻氏 「資産形成したい人を応援する。そのための機能を提供していく。価値観が変わるといいと思っている。株を売買してもうけるという概念から、株を保有して、資産の一部として組み込んでほしい。投機対象の商品ではなく、配当などお金を生み出す資産としての株式、これを伝えていきたい。既にこうした理念を持っている人もたくさんいる。共感してもらえる人が増えるといい」



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