東京・池袋の複合施設「Hareza(ハレザ)池袋」が7月1日にグランドオープンする。2019年秋に開業したホール棟や区民センターに続いて、オフィスとシネマコンプレックスが入る「ハレザタワー」が開業。商業施設の集客が難しい状況が続く中で、多様な文化の発信拠点として本格的なスタートを切ることになる。
ハレザ池袋は、豊島区の旧区役所庁舎などの跡地再開発事業によって誕生。19年11月、宝塚歌劇の公演も行われる「東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)」と「としま区民センター」が先行オープン。隣接する中池袋公園も、アニメやマンガのイベントなどが集まる聖地としてリニューアルされた。7月のグランドオープン後は、年間1000万人の集客、480億円の経済波及効果が見込まれている。
6月17日、再開発事業を推進する東京建物とサンケイビルがハレザタワーの詳細を発表した。ハレザタワーは5月末に竣工。7〜32階に、池袋エリア最大級という大規模オフィスを備える。低層階は商業施設で、2〜6階には「TOHOシネマズ池袋」が開業。1階と7階には飲食店やコンビニなどが入る。
オフィスの貸床面積は約1万1000坪(約3万6000平方メートル)。レイアウトしやすい整形無柱空間を整備した。また、グリッド型の空調機による細かい空調制御、専有部へ進むにつれて明るくなる照明などを備えている。竣工時点で全入居企業が決定しており、20年度末までに入居も完了する予定だという。
TOHOシネマズ池袋は7月3日にオープンする。10スクリーンを備え、座席数は計約1700席。日比谷のシアターでも人気の「プレミアムシアター」を2スクリーンに導入。巨大スクリーンや特別な音響設備などを備える。また、迫力ある音響を楽しめる日本初の設備を導入したシアターもあるという。
ハレザ池袋は、さまざまな文化を発信する「8つの劇場」を備えた複合施設として開発が進められてきた。これまでに、1300席の大型ホール(東京建物 Brillia HALL)のほか、ポニーキャニオンが運営するライブ劇場「harevutai(ハレブタイ)」、ドワンゴが運営するサテライトスタジオ「ハレスタ」、大階段を備えたイベント空間「パークプラザ」などの“劇場空間”を整備しており、ハレザタワーの開業で全ての劇場が本格稼働することになる。
一方、新型コロナウイルスの影響が長引く中の厳しい船出でもある。東京建物 Brillia HALLは7月1日に営業を再開する予定だが、すでに多くの公演の中止が決まっている。池袋エリアの新たなシンボルとして運行を始めた電気バス「IKEBUS(イケバス)」も運休中(6月中旬ごろ再開予定)。感染対策を意識した生活様式が求められる中で、新しい発信方法を取り入れていく必要もあるだろう。
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