ITmedia DX
コラム
» 2020年06月22日 05時00分 公開

DXのために必要なのは「イケてるITシステム」ではない、と言い切れるワケ偉そうなオジサン社員に大打撃(1/6 ページ)

新型コロナでテレワークが浸透し、デジタルトランスフォーメーションの機運がこれまで以上に高まっている。高度なITを使い華々しく語られることも多いDXだが、筆者はDXに高度なITは必要でない、と指摘する。

[横山信弘,ITmedia]

 「人はどうやったら変わるのか」と、よく聞かれる。私は企業の現場に入って、目標を絶対達成させるコンサルタントだ。新商品を開発したり、新しい仕組みを導入して達成させるのではなく、人の行動習慣を変えて結果を出させる。だからか、このような質問をよく受ける。

 そして、こういう質問に対して、いつも私はこう答えるようにしている。「ふだん使っている言葉を変えることです」と。また、使っている言葉を変えることによって、自分を変えることができる。新しい自分を手に入れることができるのだ、と。

 新型コロナウイルス感染症の影響で、次々と新しい言葉が登場した。そして世間を賑わした。皆さんもご存じだろう。残念ながら世間の反応は、それらの言葉に対してはネガティブだった。ロックダウン、オーバーシュート、クラスター、ステイホーム……。多くの人が「わざわざ片仮名にしなくてもいいだろう!」と口にした。しかし、私の感想は違う。新しい言葉は、新しい思考や価値観をわれわれにもたらしてくれる。

都知事の会見でも、多くの片仮名用語が飛び交った(出所:ロイター)

 新型コロナウイルスの影響により、私たちは生活のパターンを変えなくてはならなかった。ビジネスに対する価値観、働き方といったものを変容させなければならなかった。しかも早急に、だ。だから、誰もが分かりやすい言葉を使うよりも、聞き慣れない、ちょっと引っ掛かるような言葉を使う方がよかったと考えている。あえて、ちょっと分かりづらい言葉を使うことで、そのことを意識しせざるを得なくなり、意識改革につながるからだ。

 ちなみに、私たちコンサルタントも、片仮名用語をよく使うことでやゆされることが多い。確かに、エビデンスとかプライオリティーとかアジェンダとかよりも、日本語の方がしっくりくる言葉は、あえて片仮名を使う必要はないといえる。ところが、組織の文化を変えなくてはならないというときに、使う言葉を変えることはとても有効な手段だ。

 簡単な事例を示そう。

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