なぜ「NiziU」は注目されているのか 背後に世界的プロデューサーの話術スピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2020年06月30日 09時54分 公開
[窪田順生ITmedia]

 「ここまでみんな本当にがんばったもんね、いやあ、よかった、よかった」なんて感じで、我が子のことのように喜んでいるおじさん、おばさんも多いのではないか。

 本日(6月30日)、プレデビューとなるデジタル・ミニアルバム「Make you happy」が日韓同時配信された9人組ガールズグループ、「NiziU」(ニジュー)のことである。

 ご存じない方のために説明をすると、「NiziU」はソニーミュージックと韓国のJYPエンターテインメントによる合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project」で誕生したグループで、日本の8都市のほか、米国のハワイ、ロサンゼルスで応募された約1万人の中からいくつもの選考を勝ち抜いた9人で構成されている。

 この「Nizi Project」内の厳しいサバイバルは、Huluで独占配信されていたが、日本テレビの「スッキリ」でもかなり時間を割いて紹介されたため、「スッキリ」視聴者の中で、気がついたらデビューを目指す練習生たちを応援していた、という人も少なくないのだ。

 かく言う筆者もその一人でなんの気なしにつけているうちにまんまとハマり、先週金曜日(26日)に放映された最終回までしっかり視聴してしまった。やはり練習生が半年間も合宿生活をして、成長していく姿がおもしろかったということもあるが、何よりもハマったのは、このプロジェクトのプロデューサーである「J.Y. Park」の「愛のあるダメ出し」だ。

歌手で音楽プロデューサーのJ.Y.Park(左、出典:ロイター)

 日本でも人気の日台韓合同ガールズグループ「TWICE」や男性アイドルグループ「2PM」を手がけたJ.Y. Parkことパク・ジニョンさんは、ご自身もアーティストとして活動してきた一方で、米国の人気ラッパー、メイスやハリウッドスターのウィル・スミス、日本のSMAPなどにも楽曲を提供するなど、まさしく世界的プロデューサーだ。

 しかし、そんなスゴい人にもかかわらず、驚くほど「謙虚」なのだ。練習生に対しても常に丁寧な言葉づかいで、語り口も穏やか。偉ぶったところがまったくない。

 だからなのか、練習生を褒めるときは徹底的に褒めちぎる。満面の笑みを浮かべ、「あなたに期待するパフォーマンスの中で、最高レベルでした」「あなたは(スターになる)準備ができている人です」と惜しみなく称賛を送る。そして、この手のオーディション番組の一つの目玉である「ダメ出し」もとにかく優しい。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.