と言っても、若い女の子たちなので気をつかって優しく接している感じではなく、悪いところはしっかりと指摘しつつも、そこに必ず本人のモチベーションが上がるようなフォローが含まれている。その絶妙なさじ加減というか、コーチングのテクニックが見事だなと関心しているうちにハマってしまったのである。
例えば、13人まで練習生が絞られた段階の中で、歌やダンスの実力があまり高くないアヤカさんという練習生の審査をしたときのことだ。J.Y. Parkは「実はアヤカさんは、13人の練習生の中でダンス・歌の実力は一番不安定です」「ほかの練習生より期待値がかなり低いです」とかなり辛辣(しんらつ)なダメ出しをした。しかし、返す刀でちゃんとこんなフォローもするのだ。
「僕はアヤカさんが本当にがんばれば、成長できると思います。もっともっとがんばれば、十分可能性があると思います。ほかの方たちには違いは分からないかもしれませんが、僕が見る限り、この1カ月、ものすごくがんばって努力した人に見えます」
このような言葉をかけられたアヤカさんは、本当に嬉しそうだった。まだまだ実力不足ではあるものの、こうして自分の努力と成長に気づいてくれていた、ということが非常に大きな励みにつながったのだろう。
その後、個人順位で12位だったアヤカさんはメキメキと頭角を現し、最終的に8位までランクをあげ、見事デビューメンバーの9人になることができたのだ。もちろん、J.Y. Parkがスゴいのはこの「愛のあるダメ出し」だけではない。一人ひとりの特性を把握して、その人に合ったきめ細かいアドバイスをするあたりも見事なのだ。
個人の歌唱力テストで高く評価されて、いきなり順位が1位になったことで、逆にそれがプレッシャーになって思うようなパフォーマンスができていなかったミイヒさんという練習生には、とにかく肩の力を抜いて楽しめるように以下のような言葉をかけている。
「1位になってから少しずつ自信を持って実力を発揮することができなくなっています。しかし、自信を持って楽しめればミイヒさんに勝てる人はいません」
「最後のステージでは必ず楽しんで思い切りパフォーマンスをしてください」
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