ニトリホールディングス(HD)の業績が好調だ。6月25日に発表した2020年3〜5月期(第1四半期)の連結決算では、純利益が前年同期比25%増。3〜5月は新型コロナウイルスの感染が拡大した時期に当たり、外出自粛の影響で消費全体が低迷する中、大幅な増益となった。期間中は一部店舗で臨時休業も実施したが、在宅需要とEC需要を取り込めたことが好決算につながった。
20年3〜5月期の売上高は3.9%増の1737億円、営業利益は22.3%増の372億円、純利益は25.4%増の255億円だった。既存店の実績をみると、売上高(受注ベース)は2.0%増。客単価は3.5%減っているものの、客数は5.7%増加した。単価が高い家具商品の売り上げ構成比が縮小したことで客単価は伸びなかったが、全体的には多くの需要を取り込んだといえそうだ。
緊急事態宣言が出た後は、最大110店舗の臨時休業や営業時間の短縮を実施。4月の売上高は前年を下回る傾向だったが、徐々に好転した。営業継続店舗や通販によって売り上げをカバーできたという。
では、どのような需要を取り込むことができたのか。開示資料によると、白井俊之社長は決算説明会で「外出自粛による消費需要の高まりにより、ホームオフィス家具、簡易家具・収納整理品、ダイニング・キッチン用品等が好調に推移した」と説明。自宅で時間を過ごしたり、急な在宅勤務に対応したりするための商品のニーズが拡大した。
具体的には、仕事などに使うデスクや椅子が好調だった。デスクはシンプルで組み立てやすく、コンパクトな商品が売れ筋。椅子は座り心地やデザインを考慮した商品が選ばれる傾向があった。幅広い価格帯の商品が選ばれているという。
仕事以外でも、自宅で過ごす時間が増えたことで販売が好調だったのが、収納や整理に使うカラーボックスやバスケットだ。また、全般的に好調だったダイニング・キッチン用品では、食器類のほか、滑り止め加工を施したトレーなどが人気商品となっている。
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