10万台以上売れているUCCの「ドリップポッド」、人気の秘密は?あの会社のこの商品(2/5 ページ)

» 2020年08月06日 08時38分 公開
[大澤裕司ITmedia]

専用マシンとカプセルの相性を高める

 ドリップポッドの抽出方法はハンドドリップが基本。専用マシンでの設定完了後に自動的にハンドドリップで淹れてくれるが、カプセルにも抽出のための工夫が盛り込まれている。大きなものは次の3点だ。

(1)湯が均一に行き渡るようカプセルの形状をドリッパーに似せ半球状に

(2)カプセル上部のフィルターとコーヒーの間に一定の空間(ヘッドスペース)を設け、蒸らしのスペースを確保

(3)中心から湯をゆっくり注ぎコーヒー全体から満遍なく成分を抽出できるよう、湯がまっすぐ通るための案内役となる小さな丸い円をフィルターの天面に設けた

カプセルの構造
カプセルの個包装を解いたところ。フィルターの天面に、湯がまっすぐ通るための案内役となる小さな丸い円が見える
水タンクに水を入れ電源をONにしたら、専用マシンにカプセルをセット。カプセルのケース表面に印刷してあるメニュー(Coffee、Tea、Green tea)と湯量通りに設定し、Startボタンを押せば、フレーバーごとに最適なプログラム(湯温、蒸らし条件、抽出速度)で抽出する

 このほか、開発ではカプセルのフィルターの素材などにも試行錯誤を重ねたが、開発でもっとも考慮しなければならなかったのは、専用マシンとカプセルの相性や互換性。抽出し試飲を繰り返しては専用マシン、カプセル双方を見直しを進めた。

 開発に携わったUCC上島珈琲の植田恵美さん(マーケティング本部のチームマネージャー)は「専用マシンとカプセルの相性を最高のものにするため、検証の繰り返しでした」と振り返る。特にカプセルは、コーヒー豆のローストの具合や挽き目を細かく変えることをフレーバーごとに繰り返すことになったので、煩雑を極めた。

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