人材大手のパーソルキャリア(東京都千代田区)が、運営する転職サービスdoda上で行った調査によると、7月の転職市場における求人倍率は1.61倍となり前年同月を大きく下回った。求人数も前年同月に比べ3割以上減少しており、ほとんどの業界で新型コロナウイルスによる買い手市場化が続いている。
一方で主な業種別に見ると、「金融」だけが求人倍率が前年同月と比べて逆に上がる結果となった。コロナ禍による不況にもかかわらず、ちょっと意外な背景があるようだ。
調査は、ホワイトカラー系の仕事を中心に求人件数約10万件、累計の会員登録者約560万人を持つdodaのデータの一部を使用。登録者1人当たりの中途採用の求人数を算出して求人倍率とした。
全業種での7月求人倍率は1.61倍で、前年同月より0.87ポイントも下がった。前月に比べても0.05ポイント下がり、厳しい転職市場を引き続き反映した。特に低かったのは「小売・外食」で0.51倍。コロナ禍による営業自粛や時短営業といった業績への悪影響が、採用活動にも響いているとみられる。
4.7倍と他業種より高めの求人倍率である「IT・通信」も、現在よりはるかに売り手市場だった前年同月と比べると2.54ポイントも下がった。やはりコロナ禍の余波は免れられなかったようだ。
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