トヨタ、新型車「GRヤリス」発売 モータースポーツ車を市販化、265万円から：3モデルを展開

[ITmedia]

　トヨタ自動車は9月4日、新型スポーツカー「GRヤリス」を発売したと発表した。気軽に楽しめるモデルから競技ベース用まで3つのモデルを展開。ラリー競技への参戦で培った“競争力あるクルマづくり”の技術を詰め込んだ。メーカー希望小売価格は265万円〜456万円（税込）。月1100台の販売を目指す。

トヨタが発売した「GRヤリス」。画像は「RZ“High performance”」モデル

　GRヤリスは、トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」が手掛けるスポーツカーシリーズ「GR」のオリジナルモデル。これまでのFIA世界ラリー選手権（WRC）参戦経験から得た知見を生かし、世界のさまざまな道で思い通りに運転できるようなクルマを目指して開発した。同社として初めて「モータースポーツ用の車両を市販化する」という発想で開発したモデルだという。

　GRヤリスは、多くのスポーツモデルを生産してきた元町工場（愛知県豊田市）に新設した専用ライン「GR FACTORY」で生産。高い技能を持つ従業員が造り込むという。

　モデルのラインアップは3種類。ベースモデルとなる「RZ」は圧倒的な加速とエンジン回転数の伸びを体感できる高出力モデル。新開発の小型軽量ハイパワー1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンを搭載。より性能を高めた「RZ“High performance”」には、冷却スプレー機能付空冷インタークーラーを標準装備している。その他、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」、6速マニュアルトランスミッション「iMT」も採用している。価格は396万円〜456万円。

GRヤリス「RZ“High performance”」

　GRヤリスの走りを気軽に楽しめるモデルとして設定しているのが「RS」。直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジンを搭載。トランスミッションには「Direct Shift-CVT」を採用した。マニュアル感覚の操作が楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックのパドルシフトも装備している。ガソリン1リットル当たりの燃費性能はWLTCモードで18.2キロ。価格は265万円。

GRヤリス「RS」

　競技ベース用の「RC」は、モータースポーツ参戦時のベース車両としてカスタマイズするのに最適なモデル。「RZ」をベースに、走りに必要な装備以外を極力排除している。価格は330万円。

GRヤリス「RC」

　また、GRヤリス用のカスタマイズパーツ「GR PARTS」も設定して発売した。モータースポーツに参戦する人から日常で使いたい人まで幅広く楽しめる商品をそろえている。

　発売を記念して、9月16日にはオンラインイベントを実施する。豊田章男社長が運転するGRヤリスの走りを、VRで同乗体験できるコンテンツなどを用意。幅広い層にモータースポーツ用車両の魅力を発信する。

「GRヤリス」のインテリア（RZ“High performance”）