シャープが実証、プラズマクラスターに空気中の新型コロナウイルス減少効果90%以上減少

» 2020年09月07日 15時39分 公開
[ITmedia]

 シャープは9月7日、同社の空気浄化技術「プラズマクラスター」について、空気中に浮遊する新型コロナウイルスの減少効果があることを実証したと発表した。

 実証実験は、長崎大学感染症共同研究拠点などと共同で実施。プラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置を作成し、空気中の新型コロナウイルスにプラズマクラスターイオンを約30秒間照射したところ、感染性を持つウイルス粒子の数(感染価)が91.3%減少したという。

空気中に浮遊する新型コロナウイルスの減少効果(出典:ニュースリリース)

 プラズマクラスターは、空中に同時に放出したプラスイオンとマイナスイオンの化学反応によって、細菌、カビ、ウイルス、アレルゲンなどの表面のタンパク質を分解し、その働きを抑制する独自の空気浄化技術。同社のエアコンや空気清浄機、洗濯機などに搭載されている。

 同社は2000年から、有害物質などに対するプラズマクラスター技術の効果を世界の第三者試験機関と共同で実証するアカデミックマーケティングを実施。04年にコロナウイルス科の「ネココロナウイルス」に対する効果を実証し、05年には「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果も実証している。

プラズマクラスターイオンによる浮遊菌の活動抑制メカニズム(出典:ニュースリリース)

 共同で実証実験を行った長崎大学感染症共同研究拠点の安田二朗教授は「付着したウイルスへの対策としては、アルコールや洗剤(界面活性剤)等の消毒薬が有効ですが、エアロゾル(マイクロ飛沫)を介した感染を想定した対策としてはマスク等の着用以外に有効策がありません。今回、プラズマクラスター技術が空気中に浮遊した状態の新型コロナウイルスを不活化することが実証されたことは、一般家庭だけでなく医療機関などの実空間で抗ウイルス効果を発揮する可能性があると期待されます」とコメントしている。

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