買い控えで売れていないPS4のソフトの売れ行きが好調なのは、ソフトメーカーの決算にも表れている。国内大手ゲームソフト会社の「スクウェア・エニックス・ホールディングス(スクエニ)」と「カプコン」は、この4〜6月期の連結決算でいずれも過去最高益を更新した。
スクエニの20年4〜6月期の売上高は約870億円で、前年同期比約63.2%増。営業利益は約245億円で、前年同期比でなんと約245.1%増となった。カプコンの20年4〜6月期の売上高は約237.2億円で、前年同期比約32.2%増。営業利益は107億円で、前年同期比で約39.0%増となった。
スクエニは新型コロナの感染拡大により、アミューズメント事業の20年4〜6月期の営業利益は約15億円の赤字で、前年同期比150%減となった。アミューズメント施設の臨時休業などにより約22億円の特別損失も計上している。一方のカプコンもアミューズメント施設事業の20年4〜6月期の営業利益は約5.5億円の赤字、前年同期比185.3%減で、いずれも前年同期比で2.5倍以上の減収となった。店舗型のエンターテインメントが、コロナの影響でいかに苦境に立たされているかが読み取れる。
だが、こうした赤字をソフトの売り上げによって帳消し以上にしているのだ。ソフトウェア部門に限ってみてみると、スクエニのデジタルエンターテインメント事業の同営業利益は約260億円、前年同期比約242.1%増。一方、カプコンのデジタルコンテンツ事業の同営業利益は約118億円で、前年同期比約52.6%増と、伸ばしている。
スクエニは好調の要因について、4月に発売した「FINAL FANTASY VII REMAKE」の売り上げがパッケージ版に加え、ダウンロード販売が増加していることや、同じく4月発売の「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」の計画を上回る好調、過去作のリピート販売の拡大が利益に貢献したと分析している。
一方のカプコンは、4月に発売した「バイオハザード」シリーズ新作、「バイオハザード RE:3」の売り上げが堅調であることや、19年9月発売の「モンスターハンターワールド:アイスボーン」などの販売が続伸し、利益を押し上げたとみている。
スクエニとカプコンが要因にあげた4作品はいずれもPS4で展開しており、「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」をのぞく3作品はニンテンドースイッチでは販売されていない。こうしたタイトルの好調ぶりが、ソニーの業績にもつながっているのだ。
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