コロナ禍で主力の居酒屋業態が苦戦しているワタミは、から揚げと玉子焼きを提供する「から揚げの天才」を積極的に出店している。
から揚げの天才は、2018年11月に1号店を出店した。標準店舗の面積は約33平方メートルで、当初は商店街を中心に展開していた。売り上げに占めるテークアウトの比率は約9割となっている。コロナ禍で中食需要が拡大したため、ワタミはこの業態に商機を見出している。店舗運営の約8割をフランチャイズ(FC)オーナーが担っている。公式Webサイトによると、関東と関西で約50店舗まで増えている。
そんな中、ワタミは9月11日に「から揚げの天才 上尾店」(埼玉県上尾市)をオープンした。同店は、ステーキ店の駐車場内にあるコンテナハウス型の店舗だ。内外装の工事費用を抑えることで、低コストでの出店を可能としている。ワタミの広報担当者は「駐車場を所有している異業種の企業に対して、FC展開のモデルを提示するために出店した」と説明する。
コロナ禍で飲食業界は苦境に陥っている。都市部や商業施設内にある店舗が苦戦し続ける一方で、郊外型の店舗は回復しつつある。ワタミやホットランドのように、手軽に出店できるだけでなく“密”を避けた販売形態は今後、増えていくかもしれない。
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