グローバルのスマートフォンメーカーを見回すと、アップルのようなモノづくりを行っているところはない。サムスン、ファーウェイ、シャオミ、オッポなどが一応、ライバルとされているが、アップルのようなモノづくりは行っていないからだ。
独自開発のSoC(システムチップ)を用いたり、ソフトウェアの作り込みで差別化を図る動きはあっても、アップルほどディテールにはこだわらない。こだわったところで、永続的に製品を使ってもらえないことを分かっているからだ。
だからこそ、アップルは「自ら次のステップを作る」戦略を進めてきているのだろう。その戦略の中核にあるのは5Gである。
iPhone 12 mini/12/12 Pro/12 Pro Maxと、実に4モデルが同時発表となったiPhone 12シリーズからは、アップルの5Gネットワークへの期待の大きさが感じられる。
象徴的なのは、米ベライゾンのCEOハンズ・ ベストバーグ氏がiPhone 12シリーズの発表会で、5Gへの投資計画を打ち出したことだ。
ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど大都市部で下り最大4Gbpsに達するミリ波の5Gネットワークエリアを倍増させる。さらに、年内にもフィラデルフィアやサンフランシスコなど新たに60の都市にもミリ波による5Gネットワークを整備するという。
さらに今後、5Gネットワークは全米1800以上の都市に拡げ、2億人以上が利用可能な環境にする予定だ。
iPhone 12/12 Proが米国でのみ、同じ価格で高価なミリ波モデムを搭載した理由は、こうしたベライゾンの積極的なミリ波エリア拡大プランがあるからだ。あるいは、スマートフォンの未来を切り開きたいアップルと意気投合したのかもしれない。
こうした積極的計画が評価され、iPhone 12/12 Proシリーズ発表直後、ベライゾンの株が急騰した。
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