経営陣は正念場! 「マルちゃん正麺PRマンガ」炎上への正しい対応クレーマーを育成(1/2 ページ)

» 2020年11月17日 07時00分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。


 マルちゃん正麺をPRするマンガがTwitterで公開されたところ、女性差別、家事をするのは主婦と決めつけたといった批判投稿が寄せられたとのこと。このような批判意見にどう対応すべきか、実はPR問題ではなく経営陣の判断力が試される場なのです。

炎上って本当?

 何をもって「炎上」というかは、実はライターの判断だけであって、これという基準などないといえます。住宅街に出没した熊を射殺したというような事件で反対意見が寄せられたなどというニュースを見かけますが、よくよく調べたらわずか10件程度反対の電話があったとか、反対の投書が役所に寄せられた、しかも他県からなどということも珍しくありません。

 「炎上」は言ったもの勝ちで、本当に炎上なのかどうかは客観的に判断するのは無理でしょう。国際大学GLOCOMの山口研究員がまとめられた「ネット炎上の実態と政策的対応の考察」という論文でも分析されているように、ほんのごくごく一部にすぎない実行者の行為が、あたかも世間全体に批判の嵐が巻き起こっているかのようば幻想を呼んでしまう実態があります。

PRマンガへの批判

 問題のPRマンガとは、マルちゃん正麺を食べる父親と子供の会話に、後から帰宅した母親が加わる、ほのぼのマンガです。しかし昼間に父と子がラーメンを食べたとして、母親が帰ってきたのが夜だとすれば、それまで父はキッチンの後かたずけをしていない、それを母親に強要させるひどいやつだ!というような流れで、男女差別、主婦への家事強要でるという批判ツイートがあったのでした。

 しかし当然ですがマンガです。PRマンガが差別を煽る訳もなく、実際に何があったのか、そもそもマンガの設定を勝手に読み解くのは自由としても、自由な想像をふくらませた上で、マンガの設定を批判するという行為はかなり痛い行為としかいえないのではないでしょうか。

 しかしそれが言いがかりのようなイチャモンであったとしても、発言すること自体は自由だといえます。バカバカしい文句だと思いますが、私はそれでも批判投稿自体は許されるべきだと考えます。

 問題は現在このPRマンガについて、掲載した「マルちゃん正麺」公式アカウントが、作品に対しさまざまな意見が寄せられているため「今後の掲載につきまして現在精査しております」とツイートしたことです。

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