“大復活”したコメダ、実力派なのに苦戦するドトール 喫茶チェーンで明暗が分かれた理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/6 ページ)

» 2020年12月02日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

 コロナ禍の影響を大きく受けた喫茶業態だが、業績の回復という点で差が開いてきた。

 2020年10月、「珈琲所コメダ珈琲店」を展開するコメダホールディングスの既存店売上高(FC向け卸売売上)は前年同月比101.6%と好調だった。緊急事態宣言が発令されたために最も落ち込んだ4月は53.1%だったので、V字回復している。

業績が急激に回復しているコメダ

 一方、ドトールコーヒーの10月の既存店売上高は79.6%で、4月の35.9%からはかなり回復してきているものの、前年並みに戻るにはかなり時間がかかりそうだ。

 コメダが好調なのは、季節限定バーガー「コメ牛(こめぎゅう)」というヒット商品が出た効果もある。また、密になりにくい郊外型のロードサイドを中心とする立地も有利に働いている。

コメ牛。一時は品切れになるほどのヒット

 ドトールも「全粒粉サンド 大豆ミート 〜和風トマトのソース〜」という先進的かつ意欲的な新商品を出していて、効果も出ているものの、都心型または駅前立地が不利を招いた。

 このままリモートワークが定着し、東京、大阪、名古屋などの都心部で働く人が減る傾向が続くとどうなるか。コメダのような郊外型喫茶がさらに台頭する一方、ドトールのような都心型喫茶の凋落(ちょうらく)は不可避な情勢である。

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