「24万円じゃ全然足りない」 沖縄の飲食店は悲鳴年を越せない

» 2020年12月15日 10時18分 公開
[沖縄タイムス+プラス]
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 新型コロナウイルス感染防止対策で、沖縄県が那覇市、浦添市、沖縄市の飲食店と接客を伴う遊興施設に時短営業を要請した14日、対象の飲食店経営者からは「今も苦しいのに追い打ちだ」と悲痛な声が上がった。県が予定している1日2万円(最大24万円)の協力金は「不十分」との不満が聞かれたほか、「要請には応じられない」と明かす店舗もあった。

県から営業時間の短縮要請を受けた那覇市内の居酒屋。店内は閑散としていた=14日夜、那覇市久茂地・居酒屋「芯酔屋」

 那覇市の居酒屋「芯酔屋」のオーナー宇野祐造さん(43)は「要請が出ると客が来なくなる」と頭を抱える。8月の緊急事態宣言時には店を開けても客が入らない状態だったといい「24万円では全然足りないが、客が来なければ協力せざるを得ない」とうなだれた。

 浦添市屋富祖で「多目的ダイニングバーかりす」を営む松島朝也代表(41)は「年を越せない店が出てくる。本当に厳しい」とうなる。店は遅い時間帯ににぎわうといい「社交業界にとって時短営業はほぼ閉店状態」と話す。

 3市だけが対象となった時短要請に関し「他市町村でも経営が厳しい。協力金があるだけましかも」と話す。貯金を切り崩していて生活はぎりぎり。「もう一度、持続化給付金があるとありがたい」と望んだ。

 那覇市内のキャバクラ店店長の男性は「時間帯も合わないので要請には応じられない」と明かす。売り上げの減少はあるものの、客足は例年とさほど変わっていないといい「24万円の協力金で応じるのは難しい」と話した。

 沖縄市の一番街商店街近くで居酒屋「パナマ原人」を営むオーナーの塗矢健太さん(38)は「2万円で平日分は相殺できる」と時短営業に応じる予定だ。近隣店舗でも営業自粛の動きはあるとしつつ「規模の大きな店では厳しいだろう」とおもんぱかった。

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