LINE、12月29日に上場廃止 ZHDとの統合で成長軌道に乗るか

» 2020年12月16日 13時11分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所はLINEを12月29日に上場廃止すると発表した。15日から整理銘柄に指定される。LINEが15日に開いた臨時株主総会で、ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)との統合を可決したため。

(日本取引所グループ)

 LINEとZHDが統合を発表したのは2019年11月。統合時期は2021年3月となる見込みだ。統合後は、ZHDが東証一部上場を維持し、その傘下にヤフーとLINEがぶら下がる形を取る。ソフトバンクと韓NAVERが50%ずつ保有する持ち株会社が、新生ZHDの株主となる。

両社統合後の構成

 狙いは米国のGAFAや中国のBATといった海外の巨大IT企業への対抗。両社が持つユーザー基盤やデータ、人材を集約し、大規模な開発や投資を行う。両社のサービスには競合するものも多いが、相互に補完できる点も多い。LINEが8600万人規模の国内最大級のメッセージサービス基盤を持つ一方で、ヤフーは大規模なECサービスを展開している。

 LINEは16年7月に上場。日本だけでなく海外での成長を目指した。日本に加え、台湾、タイ、インドネシアでの月間アクティブユーザー(MAU)は上場時、合計で1億5700万人。しかし、4年後の20年9月末時点でのMAUはわずか3%増の1億6700万人と、海外でのユーザーをほとんど増やせなかった。

 ZHDとの統合で、LINEが新たな成長軌道に乗ることができるかが注目される。

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