ヤフーを傘下に持つZホールディングス(HD)とLINEが発表した経営統合。11月18日、ZHDの川邊健太郎社長とLINEの出澤剛社長が東京都内で会見し、経営統合に至った経緯や今後の方針について語った。
主な発言は以下の通り。
――両社で年1回情報交換の機会を設けており、今回の経営統合はそれがきっかけになったとのことだが、連携が必要だという考えに至った経緯は。また、その狙いとは。
出澤氏: GAFAや中国の大企業など、競合が強力であること、そしてインターネットの世界のスピード感に危機感を持っている。「LINE」一つであらゆることができるプラットフォームを実現しようとしているが、激しい競争がある。今、手を打って次のステージに進むべきタイミングにあると判断した。
具体的には、今年春ごろに行った新年会の場で、2社で何かできそうだという話が出た。そして、6月ごろに親会社にも相談し、(ソフトバンク、NAVERを含む)4社で検討を始め、夏の間に議論を重ねてきた。
川邊氏: 私は副社長時代の数年前から、LINE幹部の皆さんに「ぜひ一緒に大きなことをやろう」とオファーを出し続けてきた。これまでは相手にされていなかったが、今年は良い反応があった。
出澤氏: この業界は1年で大きく変わる。他の産業よりも、データ、人材、お金の面で集約しがちだ。気付いたら何もできなくなっているかもしれないところが恐ろしい。今のタイミングが、良い形でパートナーシップを組めるとき。最初は非常にフランクな会話から始まったため、ここまでこぎ着けたこと、まずスタートラインに立てたことは感慨深い。
――GAFA、中国企業に対抗する上で、両社の強みとなる武器は何か。
川邊氏: サービスは広範囲にわたる。そのラインアップによってユーザー体験を提供する「総合力」が武器になっていくだろう。個々のサービスというよりは、共通化されたユーザー体験で差別化できるのでは。
出澤氏: サービスを単純に組み合わせるだけでは道半ばだと思う。重要なのは、新しいサービスが爆発的な大きさで広がっていくこと。そういうものを作れるようなチャレンジをしていきたい。
――GAFAの事業展開について、何に脅威を感じているのか。どう対抗するのか。
川邊氏: 最大の脅威は、ユーザーから支持されていることだ。自分もよく使っている。非常に支持されるサービスを提供していることが、何よりすごいことだと思っている。
そのようなサービスに対して、われわれは「国産プラットフォーム」を選択肢として提供していきたい。労働人口減少や自然災害など、日本の社会課題にフォーカスできるような、他社にはできないサービスだ。
インターネットの業界では米中が強くなったが、世界の第三極に食い込んでいきたい。そういった志を共有している。
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