「結局、私たちは時代に翻弄され続ける。今は雇用調整助成金でなんとかなってますけど、いつ失業してもおかしくないと思います。元に戻ることはないですよ。たまたま生まれた時代が悪かったというだけで、就職でつまずいたツケがついてまわるんです。ストレートに“社会見放され世代”と呼ばれた方がマシです」
こう話すのは、就職氷河期世代の40代後半の女性です。女性は非正規雇用で会社を転々とし、2年前から今の会社で「前向きに正社員化を考える」という条件で、非正規雇用で雇われることになりました。
「氷河期世代の支援」に国を挙げて取り組むことが発表された時期だったこともあり、「やっと光が見えた」と、彼女は安堵したといいます。
ところが、コロナ禍で状況は一変してしまったのです。
国が遅きに失した感ありありの「氷河期世代支援」に乗り出したのは、2年前の2019年春のこと。同世代を「人生再設計第一世代」などとネーミングし、
などと記された「たたき台」を公表。しかしながら、「人生再設計第一世代」という言葉に批判が殺到したのです。
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