1000円に手を出す「ダイソー」と100円にこだわる「セリア」 コロナ禍でも好調な業界に変化長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/7 ページ)

» 2021年03月01日 08時43分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

無印よりダイソーで働きたい

 商品の感度がアップして、おしゃれなものが増えたことから、100円ショップ業界のイメージも向上している。

 調査研究機関「ツナグ働き方研究所」によると、2020年における「アルバイト採用ブランド力」の1位はダイソーで、2位は無印良品、3位は東京ディズニーリゾートだった。

 アルバイトの職場として、近年100円ショップの人気が高まっている。19年に発表した同様のランキングでは、セリアが1位(20年は7位)、ダイソーが2位と、上位を独占していた。

アルバイト採用ブランド力で人気のダイソー(出所:ツナググループ・ホールディングスリリース)

 同研究所は人気の理由として「価格がほぼ100円で統一されていることから、自分でも働きやすそうという圧倒的な敷居(しきい)の低さ」を挙げた。ダイソーがセリアを逆転したのは、「コロナ禍によって通いやすさが重視されたから」と分析する。ダイソーの店舗数はセリアの2倍ほどあり、家の近くにある安全な職場というイメージを持たれている。また、「“ダイソーにないものはない”と言わしめる品ぞろえの豊富さも、ブランドイメージにつながっている」と分析している。

アルバイト選択で重視するようになった項目(出所:ツナググループ・ホールディングスリリース)

 このように、生活者がアルバイトをしてみたいと思えるほど、身近な存在となっていることが、100円ショップの好調の一因だと考えられる。

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