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» 2021年03月15日 04時48分 公開

スシローとくら寿司が東京で激突! はま寿司とかっぱ寿司は“脱回転” 業界の行方は?長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)

[長浜淳之介,ITmedia]
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かっぱ寿司のトップは“短命”が続く

 かっぱ寿司を経営するカッパ・クリエイトは、20年12月21日、代表取締役の異動を発表。21年2月25日付で執行役員副社長の田邊氏が、社長に昇格した。田邊氏は21年11月に顧問として同社に入社。12月に執行役員副社長に就き、2カ月後には社長という異例のスピード出世となった。

かっぱ寿司は味の向上が目覚ましいはずだが……

 注目されるのは田邊氏の経歴だ。1998年、ゼンショー(現ゼンショーホールディングス)に入社。2009年に同社経営企画室ゼネラルマネージャー、14年はま寿司取締役、17年ジョリーパスタ代表取締役社長、18年ココスジャパン代表取締役社長と、ゼンショーグループ各社の経営を担ってきた。

 前社長の小澤氏は、7年間務めた同じコロワイド系列のアトムの社長から異動してきた。18年6月にかっぱ寿司の社長に就いていたが、2年半ほどの短命に終わった。

2018年に始めた有名店監修のラーメンシリーズは12弾までに830万食を突破したが…(出所リリース)

 2月10日、カッパ・クリエイトは21年3月期の決算において、純損益が11億円の赤字になることを発表。前期も2億6700万円の赤字だった。2年連続の最終赤字となる。そこが、親会社のコロワイド側に問題視されたのであろう。

 しかし、19年度の既存店売上高は、通年で100.6%。再建への道筋ができつつあった。

 20年度の既存店売上高は、21年2月までの累計で82.0%。二度の緊急事態を経たわりには、そう悪くない。20年11月には101.4%と、1カ月のみだが前年同月を上回る大健闘を見せた。「Go To イート」や、20年10月から食べ放題を休止した効果が出たと思われる。

かっぱ寿司では一部店舗で朝食の提供も始めた(出所:リリース)

 施策的には、はま寿司と同様、感染防止対策として寿司を回すのを止めた。タッチパネルで注文された寿司のみを回転レーン上で提供するシステムに変更している。さらには、回転レーンをなくして、2段の注文品専用レーン「すし特急」のみの店舗に切り替えていく方針だ。もともと、特急レーンを広めたのはかっぱ寿司なので、本家としても頑張ってほしい。

 かっぱ寿司は、経営が14年にコロワイドに移ってから5回目の社長交代となる。社長の“高速回転”はいつ止まるのだろうか。

 回転寿司の王道を貫き、都心部をも狙うスシローとくら寿司。テークアウト拡大に熱心なスシローに対して、くら寿司は6次産業化に向かう。一方で、回転しない寿司に転換し、元気寿司・魚べいに挑戦状をたたきつけているのが、はま寿司とかっぱ寿司。

 先の見通せないコロナ禍の中で、最終的にどのチェーンが抜け出すか。何が正解なのか。今後の展開が楽しみだ。

2019年には、都心部強化のPRで山手線にスシローのラッピング列車を走らせた(出所:リリース)

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。


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