スシローとくら寿司が東京で激突! はま寿司とかっぱ寿司は“脱回転” 業界の行方は?長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

» 2021年03月15日 04時48分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

スシローの勢い

 スシローの20年9月期における既存店売上高は、通期で前年比94.9%だった。緊急事態中だった20年4月には前年同月比55.6%にまで落ち込むなど苦戦したが、最終的に5%程度の減少に抑えた。

 20年10月には、同104.3%と単月のみながら、コロナ禍になって初めて前年同月の売り上げを上回った。コロナ後のV字回復が見通せたと言えよう。

 親会社であるスシローグローバルホールディングスの20年9月期の売上高は、過去最高の2049億5700万円(前年同期比2.9%増)に達した。コロナ禍においても業績を伸ばした外食企業として評価が高い。国内45店、海外13店と、計58店増えた効果が出た。

 出店意欲が旺盛な同社であるが、4月1日付で京樽の全株式を取得する。買収金額は非公表。

京樽の店舗(出所:シァル鶴見公式Webサイト)

 京樽は1932年(昭和7年)、京都の河原町で割烹料理店として創業した歴史ある企業。52年に京樽1号店を出店。以降、百貨店、駅ビル、ショッピングセンター、駅前商店街などに出店を重ねてきた。97年に回転寿司の「海鮮三崎港」1号店を出店。2011年に吉野家ホールディングスの傘下となっている。かつて東証1部に上場していた時期もあった。

京樽の「茶きん鮨」(出所:京樽公式Webサイト)

 紆余曲折を経て、吉野家からスシローに経営が移る予定だ。京樽の店舗数は290店(海外2店)。20年3月〜11月の売上高は、前年同期比35%減の136億円だった。

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