あまたの事業を成功させてきた起業家、ホリエモンこと堀江貴文。時代の寵児(ちょうじ)といわれ、ITビジネスや宇宙事業など、それまでの常識を覆す手法で自らの構想や事業を実現してきた。ただ、初めからその背景に莫大な資金や、特殊な才能があったわけではない。 堀江自身が好きなことに没頭してきた結果、ビジネスが生まれていったのだ。
起業家・堀江のメッセージは、いたってシンプルだ。
あえてレールから外れよ。
3歳児の気持ちで、のめり込め。
常識とか世間体なんか、ぜんぶ無視だ!
近刊『非常識に生きる』(小学館集英社プロダクション)では「自分の人生を取り戻す」ための、41の行動スキルを指南している。書籍の内容から、堀江が考える「経営者のマネジメント術」について語ってもらった。
ビジネスの成功者はみんな、人づかいの技に長けている。実績は高いのにプライドを持たず、できない自分をさらけだす。そして人の手を、平気で借りられる。成功者は、周囲に優れた人がどんどん集まってくる循環を、無意識に起こしているようだ。
ビジネスパーソンとしてのスペックが低い経営者ほど、人を使うのがうまい。人に頼りまくっているうちに、気づいたら資産家になっている例は、けっこう多いと感じる。
ビジネスパーソンには、「人の手を借りているうちはプロではない」と思いこんでいる人が意外と少なくない。多動ぶりをアピールするのは勝手だが、それで仕事の質は上がるのだろうか? 能力は優れているのに、チームワークを軽視した仕事ぶりで全体のパフォーマンスを下げてしまっているとしたら、評価されるどころか周りから白い目で見られるだろう。周りの目なんか、どうでもいいというなら結構だけれど……己のスタイルを貫くことと、仕事の成果を、一緒くたにしてはいけない。
人の手を借りられないという人は、2パターンある。ひとつは自分でやった方がうまくいくと思いこんでいる人、もうひとつは他人と手柄をシェアしたくない欲張りだ。
どちらも間違ったこだわりだと思う。自分より仕事をうまくやれる人は、いくらでもいるのだ。手柄は分け合ってこそ、高い評価を得られる。
ひとりで何でもやろうとしてはいけない。優れた人を使った方が、得なのだ。
手柄を立てたい、褒められたいという動機で、行動してはいけない。お金と同様、手柄も幻想だ。そんなものは誰かにくれてしまえ! と言いたい。
手柄なんか持っていても、わずらわしい。己の芯がぶれるだけだ。
手柄に惹かれた変な人が近寄ってきたり、いいことはない。手柄など、捨てる気持ちで他人にプレゼントしてしまった方が、むしろ感謝され、出会う人や情報の質は上がっていく。得た手柄のシェアがうまい人には、ポジティブな縁が巡るはずだ。
チームに従う協調性を大事にしろ! と言っているわけではない。やりたいことをよりスムーズに、大きなレベルで進めていくには、人を使うスキルの高い方が効率的ということだ。
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