いずれはNTTが買収も? 楽天・郵政タッグに透けて見える、「楽天モバイル」の“賞味期限切れ”感官製値下げで窮地に(4/4 ページ)

» 2021年03月26日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]
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 今回の「資本提携」とは名ばかりの実質資本注入で思い出されるのは、19年のヤマダ電機から大塚家具への資本注入です。会見で当時大塚家具社長だった大塚久美子氏は「資本提携」を強調していましたが、実際にはヤマダ電機から大塚家具への一方的な資本注入であり、救済策であることは誰の目にも明らかでした。大塚家具が結局、1年後には完全に創業家の手を離れることになったのは、記憶に新しいところかと思います。

 官製値下げ圧力で収益が細り、他方4Gキャッチアップに5G、6G対応で支出増加を続ける携帯業界。新規参入の楽天にとっては、あまりにもタイミングが悪いといわざるを得ません。間接的とはいえ国の資本下に置かれた楽天に、今後どのような展開が待ち受けているのでしょうか。「横並びブレイカー」としての賞味期限が切れた同社が、消費期限切れになる前に勇気ある撤退を含めた決断を迫られる日は、そう遠くないようにも思われます。

著者プロフィール・大関暁夫(おおぜきあけお)

株式会社スタジオ02 代表取締役

横浜銀行に入り現場および現場指導の他、新聞記者経験もある異色の銀行マンとして活躍。全銀協出向時は旧大蔵省、自民党担当として小泉純一郎の郵政民営化策を支援した。その後営業、マーケティング畑ではアイデアマンとしてならし、金融危機の預金流出時に勝率連動利率の「ベイスターズ定期」を発案し、経営危機を救ったことも。06年支店長職をひと区切りとして銀行を円満退社。銀行時代実践した「稼ぐ営業チームづくり」を軸に、金融機関、上場企業、中小企業の現場指導をする傍ら、企業アナリストとしてメディアにも数多く登場。AllAbout「組織マネジメントガイド」役をはじめ、多くのメディアで執筆者やコメンテーターとして活躍中。


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